2025年01月10日
No.10004709
No.10004709
ホールの年末年始営業、売上増も課題残す|ダイコク電機
“奇跡の9連休”と呼ばれた2024年から25年にかけての年末年始。各新幹線の乗車率が軒並み前年を上回った中、パチンコホールはどのような営業成績を残したのだろうか。ダイコク電機のMG分析チームに期間データとコメントを寄せてもらった。 文=ダイコク電機
2025年の年末年始期間における遊技機1台当たりの業績を見ると、売上が前年比(同一期間)で5%増加したものの、アウト(遊技時間)、粗利、遊技時間粗利は、ほぼ前年並みとなった。
とはいえ今回の年末年始期間は暦の関係上、12/28から1/5までと2024年と比較して2日長かった。年末年始期間の業績貢献度合いとしては、例年と比較して大きかったと言えるのではないだろうか。
パチンコ・パチスロ別で業績を見ると、全体の傾向と大きな差は見られなかった。ただし貸玉料金別で見たときの遊技時間粗利は、4円パチンコが70円上昇、20円パチスロが10円減少の横這いだった。
5円パチスロの業績が大幅に上昇しているが、これは今回の年末年始期間に特有なものではない。というのも2023年5月頃から、20円パチスロと5円パチスロのアウト差が徐々に拡大する状況が続いており、今回の年末年始期間でもその結果が反映されたためと考える。
20円パチスロのアウトは、コロナ禍以前の状況までほぼ回復している。しかし4円パチンコのアウトは、コロナ禍で落ち込んだ2020年と同程度。その落ち込みは過去最低水準となっている。
以下の表は、弊社Fan-SISデータにおける、2022年から2024年までの遊技客1人当たりの遊技時間(客遊技時間)の推移である。
この間にはスマート遊技機やラッキートリガーを搭載したパチンコ機が登場し、パチンコ・パチスロともに、遊技機の魅力はそれまでよりも大幅に向上した。しかし4円パチンコの客遊技時間は減少傾向、20円パチスロの客遊技時間は増加傾向が続いている。
ファンにしっかりと受け入れられているか。その指標となる上記データから見て取れることは、パチンコはパチスロと比べて、ファンの支持を集めるゲーム性を備えた機種がまだ少ないということだ。スマスロで有利区間のゲーム数上限が無くなったことは、支持につながった一例だろう。
そのような中、2024年3月に登場したラッキートリガー搭載機や、『P貞子FMD』、『e フィーバー機動戦士ガンダムユニコーン2 R』といったいわゆる高スタート機は、比較的好調に推移した。
パチンコでは2025年に、さらなる内規緩和が予定されている。ファンに支持される遊技機が増えることに期待したい。
編集=アミューズメントジャパン編集部