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2025年10月20日
No.10005022

市場分析のプロが解説 今後のパチスロ運用のポイント②
機械能力を数値化したSPI指標による評価事例【BT機編】
中野大輔(株式会社メイドインサービス 事業戦略部 部長)

機械能力を数値化したSPI指標による評価事例【BT機編】
なかの・だいすけ ㈱メイドインサービス 事業戦略部 部長 大手メーカーで約20年間勤務。開発職・マーケティングの経験を活かし、現職では全国ホール企業の経営/営業支援および複数遊技機メーカーの開発支援に携わる。特にパチスロメーカー支援で実績を上げており、開発・販売戦略参画から製品企画・評価まで多岐に活躍。

導入後の実績分析は、容易には把握しにくい機械の”潜在能力“や”適正役割“の気付きに有効です。

今回はBT機4機種(+参考2機種)について、弊社SPI手法で解説します。SPI(Slot Performance Index=スロット性能指標)は、導入後実績データを基に①稼働性②収益性③優位性の3要素で構成、評価判定します。

新規要件「BT機」ですが、性能面や支持度合いに早くも差がついており単一的な見方は危うい状況です。稼働イメージが一般的な評価に成りがちですが、SPIでは機種の持つ力を店舗運営への貢献度として総合で評価します。 

表①はSPIに当てはめた各評価値、表②がポジションマップです。稼働の良さで一般的に評価の高い「アレックス」ですが、その甘さを起因とする収益性の低さが影響し、店舗に対する総合貢献性(SPI分析値)では低スコアと判断されます。

また「エヴァ約束」も稼働数値が堅調なため比較的評価は高めですが、SPIにおいては「ハーレムエース」の評価と近似値です。これは「ハーレムエース」の持つ収益性の高さと台数の優位性からSPIを算出した際に「1台あたりが持つ力」が2機種とも同程度であることを示しています。

表①

稼働貢献できる機種を必ずしも上位とせず、一段下の稼働でも利益貢献出来る機種や市場台数が少なく注目されにくい機種に関しても、その力を評価できることがSPIの最大のメリットです。例えば低実績で厳しい評価の「ニューパルサーBT」が経年著しい戦国恋姫と同程度のSPI値という点では、「ニューパルBTの苦戦」とも「戦国恋姫の健闘」と見ることもできます。応用範囲は広く、中古機導入の判断基準の一つとして活用できることも強みです。

今回、最もSPI数値が優秀なのは辛い部類にも関わらず手堅い稼働推移をしている、小規模設置機種「レヴュースタァライト」でした。今後注目のBT機「クレア」「マジハロ」に関しても高めのSPI値が期待できると見ています。射幸性が増している現在のパチスロ市場において、その遊びやすさと長時間遊技できる本来のパチスロの楽しさを体現できるBT機が担う役割は大きく、動向には非常に期待しています。

表②

新台評価・実績分析など
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文=中野大輔(株式会社メイドインサービス 事業戦略部 部長)


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