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2025年10月27日
No.10005023

市場分析のプロが解説 今後のパチスロ運用のポイント③
2025年上期(1月~6月)パチスロ市場総括・傾向分析
中野大輔(株式会社メイドインサービス 事業戦略部 部長)

2025年上期(1月~6月)パチスロ市場総括・傾向分析
なかの・だいすけ ㈱メイドインサービス 事業戦略部 部長 大手メーカーで約20年間勤務。開発職・マーケティングの経験を活かし、現職では全国ホール企業の経営/営業支援および複数遊技機メーカーの開発支援に携わる。特にパチスロメーカー支援で実績を上げており、開発・販売戦略参画から製品企画・評価まで多岐に活躍。

2025年上期パチスロ市場は「ATタイプのシェア維持」と「高射幸性機種の台頭」が顕著でした。ATタイプは依然として主力で、稼働・粗利ともに他タイプを大きく上回り安定したパフォーマンスを示しました。ノーマルタイプは稼働・粗利面で劣るものの、安定運用が可能な領域を維持しています。

射幸強度別では高射幸帯の構成比が前年同期比で10%以上上昇し、稼働・粗利ともにシェアを拡大。中高~低中射幸帯は構成比・シェアともに減少傾向です。


機種別稼働ランキングでは上位機種の多くは上期の新台で構成されました。特に『東京喰種』は稼働・粗利・設定効果でバランスに優れ、総合力の高い機種として評価されています。『マギアレコード』『吉宗』『いざ!番長』も安定した実績を残し、店舗運用において信頼性の高い選択肢となっています。

一方、設定1の出玉率上昇により全設置機種での平均出玉率が97%後半に達する現状、等価営業ではALL①でも利率14%前後と粗利確保に苦慮する店舗は多く、大変厳しい状況です。設定の判読性は集客・粗利面に直結するため、機種毎の利率差が設定調整環境に大きく影響を与えています。


店舗施策ではユーザーへの情報伝達が不十分なケースが見られ、イベントの乱立により埋もれる傾向も強まっています。SNSや店内オペレーションの徹底により稼働が1000~2000枚変動する事例もあり、「伝える努力」が下半期の鍵となるでしょう。

2025年下期は機種選定と施策の「精度」「伝達力」が問われる局面となり、市場変化を正しく捉えた戦略的対応が成果を左右します。

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文=中野大輔(株式会社メイドインサービス 事業戦略部 部長)


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