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2018年07月17日
No.10000722

DK-SIS白書2018年版
ホール市場の総粗利2.9兆円
時間粗利改善が業績回復のカギ

ホール市場の総粗利2.9兆円

ダイコク電機は7月5日、2017年のDK-SISデータを総括する「DK-SIS白書2018年版」を発刊し、都内のホテルで記者発表会を開催した。DK-SIS会員のデータを基にした17年の市場全体の総売上は18兆6000億円で、総粗利は2兆9100億円。MAX機の撤去・回収による売上の落ち込みが大きく、いずれも大台を割った。


17年の業績をパチンコ・パチスロ別に見ると、パチンコの売上は10兆円で、総粗利は1兆6500億円。パチスロの売上は8兆6000億円で、総粗利は1兆2600億円だった。パチンコは売上と総粗利ともに前年比10%超の減少。パチスロはいずれも横ばいだった。

遊技機購入費用は8300億円、遊技機利益規模は2.08兆円、遊技機購入比率は28.5%だった。前年以上に遊技機の入替が抑制されたものの、粗利規模が縮小したため遊技機利益規模の低下を避けられなかった。

白書の概要を解説したDK-SIS室の片瀬宏之室長は、「MAXタイプから319分の1に完全に移行したパチンコは、すべての指標が最低を更新。18年に入っても回復の兆しは見えていない。一方のパチスロは、パチンコよりも相対的に業績が良いため台数シェアが伸びた」と説明した。

DK-SISを基に推計した全国のホール平均では、パチンコのアウトは1万2380個で、台粗利は1790円。パチスロのアウトは6395枚で、台粗利は2260円だった。パチンコ・パチスロを合わせた平均台粗利は1970円。店舗運営で利益が残せるラインと言われる2000円をついに割り込んだ。

DK-SIS会員のパチンコ・パチスロすべてを含めた平均の台当たりの業績は、稼働時間が3.95時間(前年比0.13時間減)、売上が1万7984円(同1163円減)、粗利が2810円(同147円減)。パチンコのアウトが1万7680個(同880個減)、稼働時間が3.55時間(同0.18時間減)、売上が1万5460円(同1910円減)、粗利が2556円(同224円減)だった。

4円パチンコの売上は2万1723円(前年比2742円減)で11.2%減少した。しかし時間粗利は1130円(同20円の減少)とほぼ横ばいだった。

この点について片瀬室長は、「売上低下は予測できたこと。対策としてはアウトを上げるべきだった。時間粗利を1000円以下にしなければアウトの回復にはつながらず、負のスパイラルが続く。時間粗利の改善が稼働回復のポイントだ」と指摘した。

パチスロはアウトが9136枚(前年比100枚減)、稼働時間4.61時間(同0.05時間減)、売上2万2104円(同48円減)、粗利3226円(同30円減)。各指標とも微減にとどまり、パチンコよりも相対的な業績の良さを示した。

「健闘を見せたパチスロだが、18年の上半期は不調。下半期での巻き返しは期待できないため、18年は17年を下回ると予想される。さらに今の業績を支えている高射幸性遊技機は、順次外れていく。店舗に合わせた外し方で業績回復の手を打たなければならない」(片瀬室長)

記者会見で根本弘社長は「今年の重大キーワードは2月から施行された規則改正。来年発刊する白書では、新基準機がユーザーの心を掴んでいることをトップに出せるように期待したい。業界に不透明感が漂う現状では、今さえ良ければという考えでは中長期の業績向上につなげることはできない。新たなユーザーを増やすにはまず、現在のユーザーの満足を満たすこと。当社はSISを駆使してユーザーの満足を上げ、業界発展に寄与したい」と述べた。

片瀬室長は「17年のデータは非常に重要な意味をもつ。17年は業界を騒然とさせた規則改正の前の年であり、新台購入を控え、大量の認定機の申請が行われた。いずれまた規則改正が起きたとき、過去の実績データが生きてくるだろう」と述べた。

この白書は「DK-SIS」に集積された1年間のデータを分析・総括したもの。DK-SISの有効データ総台数は約146万台で、カバー率は約33%。なお、今年から名称を『DK-SIS白書2018年版』とした。


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