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2019年04月15日
No.10001109

【シリーズ 藤商事の「変わる挑戦」】 第3回
「三方よし」を実践し、新規則機市場を開拓
株式会社 藤商事 取締役専務執行役員 今山武成

「三方よし」を実践し、新規則機市場を開拓
今山武成 取締役専務執行役員 

新規則の施行から約1年。藤商事の今山武成 取締役専務執行役員は、「皆が満足できる機種で新規則機市場に新たな風を吹き込みたい」と意気込みを語る。その第一弾は、藤商事が誇る「ホラー」ジャンルの最新作、新生『パチンコ リング』だ。 (文中敬称略)


遊技機そのものだけではなく
そこに込められた価値が重要


――藤商事の企業理念「お客様の繁栄を売ろう ~より良い稼働 より高い信頼~」は、近江商人の心得「三方よし」に通じるところがあるそうですね
今山 近江商人は、自分の利益を考えながらも、買い手や社会全体の利益も尊重していたことで有名です。「三方」とは、売り手、買い手、そして世間を指しています。「三方よし」をビジネスの世界で実践するということは、自社(売り手)もよし、得意先(買い手)もよし、さらには、世間(社会)もよしとする、皆が満足する形でビジネスをすることです。藤商事の企業理念も、この考え方に基づいています。

――実際の遊技機事業を例に、もう少し具体的に教えてください。
今山 当社はメーカーなので、遊技機という形あるものを通じて事業を行っていますが、お客様は遊技機そのものではなく、「遊技機に込められた価値」を求めています。その価値を私たちは企業理念のなかで、「お客様の繁栄」という言葉で表しています。当社にとってのお客様とは、直接のお取引先であるホール様のみならず、当社の遊技機を楽しんでいただいているファンの皆様でもあるのです。ファンの皆様が心から楽しんでいただけるような遊技機を導入してはじめて、ホール様のお役に立てる商品となるからです。こうした観点から当社では、ファンの皆様の目線を忘れずに、日々開発に取り組んでいます。

――「三方」のうち、「世間がよし」となるためには、どのような取り組みをされていますか?
今山 近年、企業の社会的貢献がクローズアップされています。当社も多種多様な遊技機を提供することで業界活性化の一助となり、大衆娯楽であるパチンコがレジャー産業の振興に寄与できればと考えています。

――これで「三方よし」が全部揃いましたね。
今山 当社の企業理念「お客様の繁栄を売ろう ~より良い稼働 より高い信頼~」を「三方よし」に置き換えると、「(ファンの皆様)が打ってよし、(パチンコホール様が)買ってよし、(企業の社会貢献で)世間よし」という感じでしょうか。ホール様、ファンの皆様、そしてパチンコ産業全体の活性化にも貢献できる「価値ある商品」を提供することが、まさに当社の企業理念であり、「三方よし」の精神と共通するところなのです。

パチンコの魅力を伝える仕掛けが 若年層へのアピールにつながる ――ファン人口が長期間にわたって減少していることは業界全体の課題だと思います。
今山 ファン人口は1995年から減り続けているため、ファンの裾野を拡大するための取組みが、ますます重要になっています。それは、私たち遊技機の創り手であるメーカーに託された使命でもあります。今は、スマートフォンがあれば、WEBサイトやアプリ、SNSなどをいつでも、どこでも手軽に楽しめる時代。ホール様に足を運んで遊技していただくためには、それに値する魅力ある遊技機が必要です。さらに、若い世代のノンユーザーにパチンコの魅力を感じてもらうための「仕掛け」が欠かせないと思っています。

『みんなのパチンコフェス』には日工組メーカー19社が新規則機を出展

――2月23日~24日に東京・秋葉原で開催された「みんなのパチンコフェス」では、ノンユーザーにパチンコを打ってもらう「連れパチコーナー」が設けられました。
今山 当社も出展しましたが、パチンコ未体験の方々に、少しでもその魅力を知っていただけるような機会が必要だと常々感じています。今後も大衆娯楽として、新規則ならではの多種多様な機種開発を進めるとともに、こうした業界を挙げた取組みに賛同してパチンコの魅力を広く社会にアピールすることで、さらなる業界の活性化に貢献したいと考えています。

付加価値を創造して 新規ファン獲得をめざす
――ファンの裾野を広げるために、機種開発で特に力を入れているポイントについて教えてください。

今山 以前は、遊技機の演出やスペックといった商品性を追求することで、ファンの皆様の評価がそのままダイレクトに稼働に反映していました。しかし、ファン人口がピーク時の3分の1以下になった今は、開発にあたり商品性の追求だけでなく付加価値の創造が必要だと考えています。付加価値とは、新規ファンの創出にもつながるような話題性をいかに備えるかということです。

――話題性をもたせるために、どんな仕組みづくりをしていますか?
今山 開発機種の企画段階から、「商品企画プロジェクト」を立ち上げています。このプロジェクトに基づき、新機種を市場に投入する際、どのようなプロモーションを展開するかを想定して開発に着手するのです。こうすることで、販促時に情報拡散の仕掛けと相乗効果を発揮して、話題性のある機種が誕生します。既存ファンのみならず、ノンユーザーにも興味をもっていただくことで、新規ファンを創出しようという試みです。

『みんなのパチンコフェス』で藤商事は、『P緋弾のアリアAA FE設定付』
『P 暴れん坊将軍 炎獄鬼神の怪』を設置、大勢の来場者が試打を行った。

『みんなのパチンコフェス』で、パチンコ未体験の来場者が付けたシール。
ホールスタッフなどが、プレイの仕方をアテンドした

――その新機種のホール導入までが、プロモーションの役割でしょうか?
今山 新機種の導入までにとどまらず、ホール様への「稼働支援」までも含めた、トータル的な商品プロモーションに取り組んでいます。例えば、アフターフォローとして、遊技機のオペレーションに関するコンサルティングなど、一貫したサポートの強化に努めています。こうすることで、商品の魅力を最大限に引き出すことができると考えています。

――プロモーション戦略のほかに、商品価値を高めるための取組みについて教えていただけますか?
今山 当社では「商品戦略プロジェクト」を運営しており、各プロモーション戦略を有機的につなげる役割を果たしています。このプロジェクトは営業をはじめ、開発や製造・購買、そして経営企画など、各部門の責任者が参画して連携を図りながら運営しています。同じ商品を販売しても、市場環境やトレンドが変化すれば商戦の結果は大きく異なります。そこで当社は、個々の開発機種の特色や狙いを基に各部門の責任者が検討を重ね、商品価値が最大となるタイミングで市場投入できるようにしています。各機種の販売戦略を「点」から「線」につなげ、商品価値の最大化を図ることが、藤商事ブランドの最大化にもつながるからです。

――「商品企画プロジェクト」や「商品戦略プロジェクト」のほか、新規ファン創出のために今後どのような取組みが必要だとお考えですか?
今山 パチンコにアニメや映画などのコンテンツを使うようになってから20年以上が経ちました。知名度があり遊技機と親和性が高いコンテンツの多くは、すでにパチンコやパチスロになっています。これからは、それほど知られていない魅力的なコンテンツをいち早く掘り起こして、パチンコ・パチスロ遊技機とのタイアップでメジャーにする戦略が今まで以上に重要になると思います。藤商事はここ数年、コミックマーケットに出展したり、コンテンツとのタイアップイベントに積極的に協賛しており、ノンユーザーのコンテンツファンにしっかりアピールできていると、手応えを感じています。

コミックマーケットに藤商事が出展した人気アニメ『地獄少女 宵伽』のブース。
物販も好調で、グッズを求め幾重にも列ができた

赤いシールが貼られているのは完売したグッズ。
コンテンツの人気の高さがうかがえた

「原点回帰」をコンセプトに
市場に新風を吹き込みたい


――新規則の施行から1年が経過しましたが今後、新たな市場開拓のためにどのようなコンテンツを投入されますか?
今山 藤商事は幅広いジャンルで、一つひとつのタイトルを大きく育て上げる戦略に取り組んでいます。特に、当社が創り出した「ホラー」ジャンルで新規則機市場に新たな風を吹き込みたいと考えていますが、その第一弾が新生『パチンコ リング』です。今回は、ホール様やファンの皆様の想いを熟知している営業サイドからの意見を反映させて「原点回帰」をコンセプトに作り込みました。『リング』の本質的な魅力を表現するとともに、社長の井上が提唱している「変わる挑戦」という考え方を基に、シリーズ初のオール実写演出を実現しました。

――打ち手、買い手、社会の「三方よし」が実現するといいですね。
今山 ファンの皆様、ホール様ともに十分満足していただける仕上がりだと確信しています。藤商事の企業理念「お客様の繁栄を売ろう ~より良い稼働 より高い信頼~」をカタチにした新たな価値を提供する商品、新生『パチンコ リング』に、ぜひご期待ください。



【シリーズ 藤商事の「変わる挑戦」】 第1回
新生『パチンコ リング』で 業界の未来を拓く
株式会社 藤商事 代表取締役社長 井上孝司


【シリーズ 藤商事の「変わる挑戦」】 第2回
チャレンジ精神究めた新生『パチンコ リング』
株式会社 藤商事 取締役専務執行役員 米田勝己





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