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2022年03月30日
No.10002731

特集 新規則時代の営業戦略③ プロモーション
費用対効果の高いWeb広告活用法
「選択と集中」「デザインによる差別化」の時代に

みやもと・たかし 株式会社フューチャースコープ 代表取締役社長 大手コンピュータ関連企業、大手広告代理店を経て、株式会社フューチャースコープ 代表取締役に就任。インターネット業界20年超、現場でのマーケティングを最重視しており、大手、中小を問わず全国100を超えるパチンコホールへのインターネット集客支援を自ら行っている。

「広告の無駄打ち」は長年、パチンコホールの課題だった。Web広告が主流になった今、広告のレスポンスは数値で捕捉できる環境が整った。今後、さらに費用対効果を高めるためのポイントを、フューチャースコープの宮本代表が解説する。
文=宮本琢志 フューチャースコープ 代表取締役

2020年から続く新型コロナの影響による行動抑制によって巣篭もり需要が高まり、パチンコホールを含む店舗型ビジネスにおける集客プロモーションは、より『費用対効果』を求められる時代になっています。
 
具体的には、「広告のばら撒きをしない」「適切なターゲットに対して、適切な手法」で情報を届けること。さらに「客観的事実(数値)をもとに無駄を省き、効果の見合うものだけを採用する」ことを、継続的に行っていく必要があります。

下の図は、電通が集計した日本の広告費の用途をグラフ化したものです。テレビ・雑誌・新聞・ラジオ(4大マス広告)は軒並み下方傾向であるのに対して、インターネット広告だけが上昇傾向にあります。


これは現状、インターネット広告が「最も無駄が少なく」「効率的な広告手法である」ことを意味しています。パチンコホールにおいても22年以降の集客プロモーションでは、より”インターネット中心“に顧客との接点を作っていく必要があります。

インターネット中心に顧客との接点を作っていくにあたり、重視するべきポイントは以下の3点となります。
1 集客施策=投資であるという意識を持つ
2 広告配信エリア、ターゲットを精査する
3 広告のデザイン・クリエイティブによる差別化を意識する

まず、広告費を運用する方が「集客施策は投資である」という意識をより強く持つことはとても重要です。その意識が行動を変え、行動が変わることで結果も変わるのです。


つまり、従来以上に、広告・集客に費やす費用を「投資」として考えるべきで、「効果の薄い、あるいは効果が見込めない施策に費用を費やし続けることはNG」ということです。

費用対効果の測定としては、相対評価で判断するべきです。重要な指標であるクリック率や動画再生回数などについては、「過去と比べてどうであったのか?」「他のチェーン店のそれと比べてどうであったのか?」「全国の平均と比べてどうであったのか?」といった視点が必要です。

担当者だけでは思考が閉塞してしまいがちです。グループ店の担当者が合同で施策や重要指標の報告会などを開催することで、新たな気づきが生まれる可能性が高まります。ノウハウの共有にもつながりますので、定期的にこうした報告会を開催するといいでしょう。

「広告=投資」という考えるうえで重要になるのは、「施策の精査」です。広告による反応が高い媒体、エリアには投資をし続け、反応が薄い媒体、エリアは精査をしたうえでカットする。つまり「PDCAサイクル」を回し続けることがとても重要です。

インターネットによる広告や告知では「クリック率」「Webサイトの滞在時間」「動画の視聴回数」「広告による来店検証機能」「来店者ヒートマップ」など、効果を検証するための指標が数多く用意されているため、他の広告手段より効果検証を行いやすくなっています。

いずれの指標も数値が高いほうが店舗への来店寄与率が高くなるため、無駄を精査しカットし、反応(数値)の高い施策への投資を厚くするという活動を継続していくことを推奨します。

最後に、「広告のデザイン・クリエイティブによる差別化」について説明させていただきます。


広告を配信する媒体及び配信を行うエリアが厳密に精査されていても、デザイン・クリエイティブが洗練されていないと広告効果は半減してしまいます。

同じ商圏範囲に同じサービス(遊技機)の広告を打ったケースをみても、クリエイティブレベルで3倍の差がついたこともあります。つまり、クリエイティブレベルが低いことが原因で、広告費の垂れ流しにつながることもあるのです。

整理すると、広告バナーであれば「クリック率」、動画広告であれば「完全視聴回数」、Webサイトであれば「ページ滞在時間やページ遷移先」などの指標を精査し、顧客に受け入れられているデザインや訴求内容になっているかどうかを推し量る必要があるのです。

しかしながら、デザインを制作するには費用を要しますし、デザイン制作費やタレント等のキャスティング費用が頭でっかちになってしまい、実際に広告を撒く費用を圧縮してしまうという本末転倒なケースも数多く見受けられます。

デザインやクリエイティブは、お金をかければ必ず素晴らしいものができるものでもなく、デザイン制作費やタレント等のキャスティング費用は「総広告費の10分の1程度」が一般的ですので、コスト配分のバランスも鑑みたうえで、デザインや訴求内容に手間暇をかけ、知恵を絞っていく必要があります。

パチンコホールの競合となるのは直接競合となる近隣ホールのみではなく、競馬や競艇などの公営ギャンブル、より広義にはゲーム(含:スマホゲーム)やYouTubeなど、間接的な競合が数多く存在し、マインドシェア・可処分時間・可処分所得を奪い合っています。

直接・間接を問わず競合にマインドシェアを奪われないために、今後も集客プロモーションは必要となってきます。宣伝・広告費用に対し「選択と集中」の概念を取り入れ、「効果検証が可能な、明確な指標があるもの」「事実(数値)に基づいて精査が可能であるもの」を採用していただくことを推奨します。

※『月刊アミューズメントジャパン』2022年4月号に掲載した記事を転載しました。


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