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2022年07月14日
No.10002938

アイ・テイ・エイ・ヴイデオ・サービス
「顔」で検索して人物を追う
顔認証アプリケーション『EX-Face』(エクス・フェイス)

「顔」で検索して人物を追う
「導入店様のご要望を反映して、機能面をブラッシュアップさせたい」と意気込む桒村社長

アイ・テイ・エイ・ヴイデオ・サービス(大阪府堺市)の顔認証アプリ『EX-Face』(エクス・フェイス)が、にわかに注目を集めている。同製品はマスクやサングラスの有無にかかわらず、検出した顔データと登録した顔データを高い精度で認証。桒村(くわむら)明社長は、その有用性を次のように語る。【文中敬称略】

──顔認証アプリ『EX‐Face』は、どのような経緯で開発されたのでしょうか。

桒村 遊技業界に広く浸透している監視カメラは、不正遊技の排除を通じて、ホール様が得られる正当な利益を保護するために今日まで技術革新を遂げてきました。画素数はより多く、ズーム倍率はより大きく。暗所や逆光下での撮影や追尾機能、AI機能の搭載も、開発努力の結晶といえるものです。ところが個々の製品スペックは、見事なまでに横並び。差別化が難しい業界なのです。そのため当社では個別製品で競争するのではなく、「システム」を組んだときに特色が出るように開発しています。当社には監視カメラメーカーとして半世紀の業歴があり、カメラ映像の扱いではアドバンテージがあります。これらのスキルを顔認証に注ぎ込めたら、面白い製品ができると確信していました。『EX‐Face』では「顔」検索とカメラシステムがもつ映像データの結び方にこだわり、実際当社らしい作り込みができたと思います。

──顔検索と映像データの連動について具体的に教えてください。

桒村 『EX‐Face』のホーム画面には、入場者を時系列で表示する欄があります。例えばこの欄で、同一人物が数分おきに表示されていたとしましょう。あまりにも不自然な回数です。こうした場合、この人物の顔データを検索機能にかけて、再生ボタンをクリック。すると同一人物を捉えた各所の監視カメラの映像が、時系列順につなぎ合わされて表示されます。カメラAが捉えた数秒の映像、その隣のカメラBが捉えた数秒の映像……といった具合です。つまり入店してから現在いる場所までの行動・挙動を追えるのです。一連の映像で当該人物は、パチスロコーナーで数分遊技しては退場と入場を繰り返していました。電話ではありません。監視を続けたところ案の定、他店メダルを少量ずつ持ち込んでいた。『EX‐Face』とカメラシステムの連携※で、こうしたオペレーションが可能になります。
※ 同社製の監視カメラ統合管理システムが必要

検出順、グループ別、ターゲットの3枠で構成される『EX-Face』のホーム画面。右側のターゲットでは、特定人物の来店をもらさず通知してくれる

──不自然な行動から不穏な気配を察して、画像検索するという能動的なアクションが必要なんですね。もっと自動的に検出してくれる機能はありませんか。

桒村 顔データを事前に用意できれば、自動検出は可能です。例えば過去にトラブルを起こした人物や入店をお断りしている人物の顔データを登録しておけば、来店を検出した瞬間にアラートを自動発報します。発報先は事務所内のスピーカーやインカム。メールにも通知できます。前日に忘れ物をされた常連様や自己・家族申告プログラムで入店制限を課されている方、警察から協力要請された被疑者にも応用できます。顔データは慎重に扱うべきものですが、系列グループ店で共有することも有効でしょう。

──コロナ禍ではホール入場者にマスク着用が求められています。登録画像と検出画像とで、マスクの有無が認証結果に影響を与えることはありませんか。

桒村 『EX‐Face』の認証エンジンが、マスクやサングラスなどの被覆物に惑わされることはありません。登録画像と検出画像にマスクあり・なしの違いがあっても、認証エンジンは最大10万人分の顔データから類似度が高い画像をピックアップ。同一人物である可能性が最も高い画像を類似度とともに表示します。実証実験ではマスク「あり・なし」の本人に対して、正しい登録画像を類似度80%以上として選出。マスク「あり・あり」、「なし・なし」の場合の類似度は90%以上でした。検出された人物と登録した人物が同一人物であるか、最終的には人の目で確認することを推奨しますが、十分に引けを取らない認証精度だと自負しております。

マスクのあり・なしにかかわらず、高い精度で同一人物として認証する

──導入ホールは、どのようなメリットを得られるのでしょうか。

桒村 担当者様や責任者様であれば、防犯チェックにかける時間と労力を削減できますから、その他の業務に注力できるようになります。ほかのお客様に迷惑をかけたり問題行動を起こしたりする客層が排除されていけば、それに対応する時間も失われずに済みます。一般のスタッフであれば、常連様の来店をいち早く認識することで、好感度の高い接客につなげられるでしょう。不正遊技のない安心・安全なホールは、お客様にとっても快適で過ごしやすい場所になります。遊技面でも還元される機会が公正に保たれるため、そこに勝機を見出す人もいるはずです。当社はこれらのカメラシステムを提供することで、ホール様が営業活動に集中できるようにサポートしたいと考えております。この方針は、不正に強いとされているスマート遊技機が市場に導入されても揺るぎません。今後もホール様の良きパートナーとして、将来をともにしたいと切に願っております。

アイ・テイ・エイ・ヴイデオ・サービス
TEL:072-222-8880
https://ita-video.co.jp/


※『月刊アミューズメントジャパン』2022年7月号に掲載した記事を転載しました


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