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2022年07月27日
No.10002975

パチンコ店特化型広告代理店のCEOが語る 「実戦! パチンコ店のWebマーケティング」⑤
パチンコ店にとって『ブランド』とは何か?
文=梶川弘徳 シー・エフ・ワイ代表取締役

前回は、Web広告を活用する場合に必須となるランディングページについて解説しました。今回は、パチンコ店における「ブランド」について考えてみたいと思います。

パチンコ店にとっての「ブランド」とは何を意味するのか? それはどんな影響を及ぼすのか? パチンコ店とブランドの関係性について、Webマーケティングの観点から解説してみましょう。

そもそも「ブランド」とは何なのか?日常生活でも聞きなれた言葉ですが、いざ説明するとなると難しいものです。さまざまな説明ができますが、私は以下の概念を提唱しています。「ブランドは時間や対価を払ってでも得たい価値であり、その価値を活かしてファンを作ることを目的としている」。

私が提唱するこの概念は、価値を活用してファンを作るという「目的」を含めている点がポイントとなります。ブランドという概念は、ビジネスを展開する組織体やプロダクトに大きな影響を及ぼすため、パチンコ店にとっても大きな影響を与えるものになります。

パチンコ店にとってのブランド、つまり「ユーザーがお金や時間を使ってでも得たいと思える価値」とは何にあたるのでしょうか。パチンコ店のブランド価値となり得る要素は大きく2つ存在します。1つは「出玉系の価値」、そしてもう1つは「コンテンツ系の価値」になります。

一般的にパチンコ・パチスロユーザー目線での価値といえば「勝ちたい」という欲求、あるいは「楽しみたい」という欲求を満たすものとなり、それこそがパチンコ店のブランドとなります。そして、その2つの価値作りを「自社プロダクツ」と「外注プロダクツ」に分けると、パチンコ店のブランド価値は4つのカテゴリーに分類することができます。

1 強化機種や特定日など自社で作る出玉系ブランド価値
2 実践取材やライター来店など外注で作る出玉系ブランド価値
3 オリジナルYouTube番組やアイドル店員など自社で作るコンテンツ系ブランド価値
4 公式アンバサダーや芸能人企画などの外注で作るコンテンツ系ブランド価値



それぞれ共感を得るファン層は異なりますが、魅力があればあるほど強いブランドになっていきます。そしてそのブランドは、「集客」と「売上」という業績面において大きな影響力を持つものとなります。もちろん、この4つの価値以外にもパチンコ店のブランド価値として成立する要素はありますが、「ユーザーがお金や時間を使ってでも得たいと思える価値」として、特に大きな影響を与えるブランド価値はこの4つの要素となります。自店舗を取巻く環境を考え、どの価値創出が最適かを検討し、ファンを作ることを目的とした「ブランドの再定義」をしてみてはいかがでしょうか。

パチンコ店の「ブランド」について押さえたところで、次に「ブランディング」について考えてみたいと思います。ブランディングとは「ブランド価値に共感して、ファンになってもらうための活動の総称」のことですが、具体的にはWeb広告やSNSなどを使ってブランド価値に接する機会を作ることを指します。逆にいうと、店舗のブランド価値があってはじめてWeb広告やSNSを活用する意味が出てきます。

店舗が作り出したユーザー向けのブランド価値に接する機会をWeb広告やSNSで作る。これこそがパチンコ店のブランディングとなります。ブランディングによってブランド価値に共感するファンを作ることができれば、「機種運用面で競合店よりも優位に立てる」「広告費のコスト削減ができる」などのメリットが生まれてきます。

しかし、ブランド価値は一朝一夕では作れません。適切なブランド価値を作り、ユーザーとのコミュニケーションを取りながら地道に育てていく必要があります。ブランドを育てるための広告施策として推奨したいのが「ストック型」の広告になります。ストック型の広告とは、「資産になる広告」のことをいいます。

例えば、自社サイトの整備、データサイトの連携、SNSやブログの更新など。これらの更新情報をWebツールで配信し、ユーザーとの接点を作る。これがストック型広告の基本的な流れとなります。ただし、ストック型の広告は継続的な運用が必要なため、担当者や運用計画を用意する必要があります。それに比べて「フロー型」の広告は短時間で運用できてリーチ数も多いというメリットがあります。そのメリットを利用して「新規ユーザーとブランド価値」の接点を作ることが効果的な場面もあります。リニューアルオープンや大型入替など、リーチ数を優先したい場合などがそれにあたります。ブランドを育てるためには必ずしもストック型の広告が良いということではなく、重要となるのはユーザーに向けた「ブランド価値があるかどうか」という点になります。

店舗のブランド価値を再定義した上で、営業戦略によってストック型とフロー型の広告施策を使い分けて、「ファンを作ることを目的とした」ブランディングに取り組んでみてはいかがでしょうか。

※『月刊アミューズメントジャパン』2022年5月号に掲載した記事を転載しました


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