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2023年07月11日
No.10003610

ジェッター
マルハン西日本とパチスロコーナーを共創
メダル機とスマスロ、共存時代の島づくりとは

マルハン西日本とパチスロコーナーを共創
中央通路からパチスロコーナーに入っていく動線にそって延びる「空中ライン」で確実にメダルを運ぶ

マルハン西日本カンパニー初の新店として全国的に注目されている『マルハン新加古川店』(兵庫県加古川市)。高稼働が続くパチスロコーナーづくりに欠かせなかったのがメダル自動補給装置メーカー、ジェッターの存在だった。ホールとのパートナーシップでメダル機とスマスロの共存時代を生き抜く島づくりを実現した。

4月27日にグランドオープンした『マルハン新加古川店』。旧『加古川店』が移転する形でオープンした同店の遊技機総台数は1240台(パチンコ720台、パチスロ520台)。広々とした空間で異彩を放つのがパチスロコーナーだ。

正面入り口から店内に入ると、通路幅の広いパチンココーナーの中央通路の先に、床に絨毯を敷き詰めたパチスロコーナーが目に入る。その先には円島があり、正面の壁に設置された帯状の大型LEDビジョンには刺激的な映像が流れている。中央の円島を中心に左右対称にレイアウトされたパチスロ島。このレイアウトを支えたのが、長年にわたりパチスロ島づくりに関わってきたジェッターのノウハウだった。同店の平安正樹店長はこう振り返る。

「本社営業設備担当とジェッター様との間でパチスロコーナーの島レイアウトについて何度も打ち合せを行いました。お客様の動線を考えながら今までにないユニークなレイアウトを3Dでのイメージ画像やアニメーションで提案してもらい、弊社が納得いくまで何枚も図面を描いていただいたと聞いています。お陰様で複雑な島レイアウトでありながらオープン以来大きなトラブルもありません」

マルハン新加古川店(兵庫県加古川市)

マルハン西日本カンパニーが求めたのは居心地の良い遊技空間。そのためには、島内を移動するプレイヤーの動線確保や、LEDビジョンが目に入りやすくするための研磨タワーの位置や「空中ライン」と呼ばれる補給樋の通し方も考慮しなければならない。

完成したパチスロコーナーは左右対称にパチスロ島が整然と並ぶ。520台という多台数にもかかわらず使用しているメダル研磨機はわずか5機。ジェッターでは「店舗のデザインや遊技空間を損わずに最高のコストパフォーマンスを考え、最終的に一番バランスの良いところで配置を決めた」という。

スマスロとメダル機との共存がしばらく続く状況の中で、同店ではLEDビジョンの真下に位置する壁島をスマスロ専用島とした。遊技機の背後に補給樋などが必要ないスマスロのメリットを活かしたと言える。そこに52台の『スマスロ北斗の拳』が一列に並ぶ。その他のスマスロはメダル機も使えることを想定して作られた島に設置。中央の円島には『パチスロ甲鉄城のカバネリ』などメダル機の高稼働機種を置いている。左右の壁側の湾曲島は、右側が30φコーナー、左側がジャグラーコーナーとした。

一方で、マルハン西日本カンパニーがこだわったのがメダルの研磨品質だった。最近はスマスロの登場で中古メダルが大量に出回っている。なかには汚れのあるメダルも含まれていて、その対策もジェッターに求められた。

パチスロコーナーの中央にある円島にはメダル機の高稼働機種を設置

写真右側の壁島をスマスロ専用島にした

サラサラなメダル品質を維持する研磨機は520台の設置台数でわずか5機

メダル自動補給装置『ジェッターラインV‐9000』に搭載されるメダル研磨機は2種類から選べる。『W研1(ダブルケンイチ)』は水を使って円盤ブラシで汚れを取り、さらにローラーブラシで汚れを拭きとり極上のメダル品質を実現する研磨機。『オールフリー研1』は円盤ブラシとローラーブラシを使う乾式のメダル研磨機で、毎日の閉店後の作業が一切必要ない。

ジェッターでは、オープンして間もない間は水洗浄の「W研1」を使用し、まずは水を使用した研磨で極上のメダルに仕上げることを提案した。オープンからの1カ月間、メダルのクオリティを定期的に測定し、一定レベルに達したため、近く『オールフリー研1』に研磨機を交換する予定だという。

平安店長は「オールフリー研1を導入すれば、さらに店舗スタッフの作業軽減となります。ここまでお客様や店舗スタッフのことを考えての提案はさすがジェッター様と感じています」と笑顔を見せる。

今後はスマスロの新機種が増えていくことが想定されるが、平安店長は「すでにスマスロは133台と十分にあるので、稼働が落ちたスマスロを整理していく段階がまずあると思います」と考えている。

「カバネリをはじめ鬼武者や番長など、メダル機で動く機械も揃えているので、無理に増やすのではなく、バランスよく設置していきたいですね」

今後、メダル機が完全になくなるという未来がいつかは来るだろう。その時期について平安店長はこう見据える。

「1年以内にメダルがなくなることはまずないと判断しての出店でした。今後一気にスマスロのシェアが増えるときが来るとすれば、ジャグラーがすべてスマスロになるときではないでしょうか」

平安店長


※『月刊アミューズメントジャパン』2023年7月号に掲載した記事を転載しました。


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