高まる「北斗」の存在感
LT搭載機『e北斗の拳10』始動

サミーは5月10日、パチンコ新機種『e北斗の拳10』の発売を発表した。満を持して放つLT（ラッキートリガー）搭載のスマパチだ。停滞感が漂うパチンコ市場では、今春から大きな変化が起きている。一過性ではない“うねり”の到来だ。

これまで4円パチンコ市場を牽引してきた「エヴァ15」や「リゼロ」シリーズ。しかし最近になって、これらメイン機の客占有率やアウトシェアが低下してきた。一方で『P北斗の拳 暴凶星』や『Pフィーバー炎炎ノ消防隊』といったハイミドル機が、客占有率を維持・微増させている。LT機が登場した3月以降は、4円客の分散がさらに進んだ。

LT機の魅力はなんといっても出玉力だ。例えばハイミドル機の『P緋弾のアリア ～緋緋神降臨～ ラッキートリガーVer.』では、3万個over率が20％超に及ぶ。過去のP機と比べると、突出した値だ。スマパチで出玉力が最も高い『e Re:ゼロから始める異世界生活 season2』も3万個であれば同等のレンジだが、4万個、5万個と最大値が大きくなるにつれて、over率は前者の方が優位になっていく。

1/99のカテゴリーでもLT機の秀逸ぶりは見て取れる。最大MY2万5000個over率が約20％に至る『P北斗の拳 強敵 LT』を、一般的な甘デジと横並びに捉えるファンは少ないだろう。しかし初当たりの軽さに比してプレミアム的な出玉を望める機種は、ハイミドル層とはまた異なるファンの受け皿になっている。

同機はパチスロAT機を好むファンの回遊性も高い。エヴァシリーズやリゼロシリーズがそうだったように、1機種単体の粗利貢献・稼働貢献という意味以上に、店全体の稼働を底上げする点で貢献度が高い。『P北斗の拳 暴凶星』の好調ぶりと合わせ、「北斗」というコンテンツの強さが改めて浮き彫りになっている。

ハイミドルLT機の北斗、
スマパチ盛り上げにも

その北斗シリーズの最新機種『e北斗の拳10』は、納得のLT性能を秘めたスマパチだ。簡単にスペックを振り返ってみよう。

大当たり確率は約1/348.6。転落方式を採用したRUSHには、特図1振り分けの80％で突入する。継続率は約80％。10R大当たり時はラウンド中に、約36％の割合でLT突入をかけた「無想転生チャンス」が発生する。成功確率は約50％。突入後のRUSH継続率は約89％に高まる。

LT突入時の出玉力はもちろん高い。期待値は約1万3452個（※1）。最近ではコンプリート達成時や大量出玉を獲得したときなどに、SNSに成果をアップするファンが増えている。ファン層が厚い北斗シリーズだけに、その拡散力は高そうだ。

サミー初のスマパチにして、10作目を数える正統ナンバリング後継機『e北斗の拳10』では、代名詞であるバトル演出のクオリティや各種リーチ演出、RUSH展開などもブラッシュアップしている。エイリやんに代えた新デバイス「ウェーブギア」にも注目だ。

2024年3月末までの1年間で、ホールに導入されたスマパチはわずか15機種に留まる。スマスロが1年間で22機種だったことを踏まえれば、明らかにペースは遅い。

スマパチの評価では、TSに見合う出玉期待感を指摘する声が多かった。アミューズメントジャパンが過去にファン向けに実施したアンケートでも、スマパチを打たない理由に「P機と比べた優位性を感じられない」「出玉期待感が感じられない」を挙げるファンが多かった。

e機の最高スペックで作られたLT機が、出玉力の面でP機を凌駕することは間違いない。『e北斗の拳10』をきっかけに、スマパチが盛り上がることにも期待したい。

同機のパチンコホールへの導入は、最速で7月29日を予定している。
※1＝初回平均出玉（約380個）+LT突入前RUSH出玉期待値（約4179個）+LT突入後RUSH出玉期待値（約8893個）の合算

【e北斗の拳10】
▼大当たり確率：左打ち時＝約1/348.6、右打ち時＝約1/40.0（※2）
▼RUSH突入率：80％
▼RUSH継続率：バトルモード＝約80％、ハイパーバトルモード＝約89％
▼転落小当たり確率：バトルモード＝約1/136.9、ハイパーバトルモード＝約1/275.9
▼賞球数：1 & 3 & 5 & 15・10カウント
▼ラウンド数：2R or 3R or 10R
※2＝大当たりと図柄揃い小当たりの合算
※特図1の小当たり確率は約1/478。小当たり当選時は「世紀末チャージ」が発生し、1％でハイパーバトルモードに突入、99％で通常状態に移行する。※通常時からハイパーバトルモードに突入した場合は、次回大当たりまで転落しない状態となる。※継続率は残保留を含む。※出玉は払い出し。※突入率、継続率ともにV通過が条件。


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文＝アミューズメントジャパン編集部