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CCG ENTERTAINMENT 特別コラム③
エンゲージメントを高めるカルーセル広告
文=仲野達也(CCG ENTERTAINMENT企画部部長)
前回は、「ハンドルターゲティング」について説明いたしました。関連性のあるライターや競合店などをターゲティングし、エリアやキーワードを絞り込むことで、本当に見てほしいユーザーに広告が届くようになります。
そのユーザーに届いた広告の工夫次第では、エンゲージメントを高めることができます。今回はX広告を見てもらうためのクリエイティブな部分についてお話したいと思います。
拡散力のあるX広告
エンゲージメントがカギ
一般的なバナー広告やYouTube広告に対するユーザーの行動は、その広告をクリックするくらいですが、X広告にはクリックだけでなく2次拡散できるというメリットがあります。
Xの投稿や広告は、いいねやリポスト、返信、投票といった2次拡散できる機能が搭載されています。それらに加えて、ハッシュタグクリック、プロフィールクリック、スワイプという行動に対して、エンゲージメントがカウントされます。インプレッション数(投稿や広告がユーザーに表示された回数)以外に、ユーザーがどのくらい行動したのかがわかります。
このエンゲージメントが高い広告というのは、ユーザーから興味を引いている広告です。クリック率という指標以外にもエンゲージメント数を上げていければ、広告の効果はさらに高まるでしょう。
広告を見てもらう工夫
「カルーセル広告」とは
X広告でエンゲージメントを高めることができるのが「カルーセル広告」です。カルーセル広告とは1枚の画像だけでなく、複数の画像を並べて右にスワイプしていくと続きが見られるような広告になっています。漫画アプリの広告で目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
カルーセル広告の特徴として、広告が複数枚ある場合は右端に次の広告が少しだけ表示されるようになっています。複数のライターの来店日を告知するときに一枚目に「1日は○○さん来店」となっていて、2枚目の広告が右端に表示されていると「他にも誰か来るのかな」と気になるユーザーがスライドします。1枚目で興味を示したユーザーは、2枚目以降もスライドしてくれる可能性が高いです。
来店告知だけでなく、新台入替も機種別にしたり、一週間のスケジュールを告知するなど、一つの広告にまとめるよりも、それぞれ複数用意することがエンゲージメントを高めるために必要となってきます。より詳細な情報を伝えることで、これまで逃していたユーザーの囲い込みに有効な手段となります。
またドミナント出店している店舗や地域のグループ店の告知にも向いています。一店舗だけでなく、それぞれの店舗の広告を掲載することで、ユーザーも「この日は○○の設置台数が多い、○○店に行こう」、「この日はここのグループを回ってみよう」と、一店舗だけの広告では得られなかった効果が発揮されます。
実際にエンゲージメント率10%を超える、ホールのカルーセル広告もあります。単純に考えると100人に10人が反応してます。Xでプレゼントキャンペーンなどができないホールで、この数字を残せるのはそれだけ興味のあるユーザーが多いということがわかります。
一枚の広告に情報を詰め込みすぎると本当に伝えたい情報がわからなくなってしまいます。動画広告も広告を見るという行為が手間に感じるユーザーも多いです。カルーセル広告なら複数の情報をスライドして瞬時に確認できます。
ターゲティングをして見てほしいユーザーを絞り込むだけでなく、広告の工夫もすることでユーザーの興味をさらに引くことができます。せっかくX広告をするのなら、カルーセル広告を活用しましょう。
※『月刊アミューズメントジャパン』2024年7月号に掲載した記事を転載しました。
文=アミューズメントジャパン編集部