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2018年06月08日
No.10000660

笑顔判定で離職防止
出退勤時の表情から不調を読み取る

出勤時や退勤時の笑顔を判定。人事担当者だけが点数を把握できる

HR業務を効率化する製品の中で、比較的導入が進んでいるのは勤怠管理や給与計算など業務別のツールだろう。しかしネオキャリア(東京都新宿区)が開発したクラウドサービス『jinjer』(ジンジャー)は、人事領域で扱う各種のデータを横断的にマネジメントできる国内初のプラットフォーム。採用、勤怠、モチベーション、労務、人事などの各種管理データを一元的に集約して、さらなる業務の効率化をもたらしてくれる。

ネオキャリア経営企画本部の本田泰佑事業部長は、「何らかのシステムを導入している企業の9割は、ツール別に各種業務を行っています。しかしそれでは手間が重複する。そうした重複をなくし、業務工程を簡略化させるのが『jinjer』なのです」と話す。

さまざまな機能をもつ『jinjer』の中でも勤怠管理を行う「jinjer 勤怠」は、ホール企業に適している。国内初搭載のAIによるエンゲージメントアラート機能は、サービス業特有の離職防止に効果を発揮。モチベーションが下降傾向にある従業員の情報を人事担当者に発報する。

その仕組みはこうだ。機械学習したAIが、勤怠データをもとに過去90日間分の出勤率、残業率、休暇率を算出。業界平均値などと照らし合わせて、7段階のエンゲージメントを算出してくれる。人の目では気づきにくい出勤時間のブレを捕捉するのは、AIならではと言える。

エンゲージメントの算出方法で特にユニークなのは笑顔判定機能だ。タッチパネル操作で打刻する「jinjer 勤怠」では、打刻時にタブレットやスマホに搭載されたカメラが起動。打刻者本人の顔写真を撮影する。AIは撮影された表情から目尻の下がり具合や口角の上がり具合をチェック。百点満点で評価する。

「人材の出入りが多いサービス業では、いかに定着させるかという課題が色濃くなるでしょう。辞めさせないためにスタッフのコンディションを把握するコストを投じる時代になったのです」

可能性に満ち溢れたHRテックはHR業務に大変革を起こし、企業を成長へと導く存在になるだろう。しかし、データを取得・分析すれば何でもできるというわけではない。

ヒトラボジェイピーの永田社長は「仮説を立てて検証を繰り返すことが重要」と述べ、ピープルアナリティクスラボの西尾マネジャーは「データを何のために使うか。その構想の方が大事」と強調する。ネオキャリアの本田事業部長は「効率化が図られた後をどうするか」と新たな問いを投げかける。

ネオキャリアの本田事業部長


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