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2022年02月03日
No.10002647

パチンコ店特化型広告代理店のCEOが語る 「実戦! パチンコ店のWebマーケティング」②
その広告は「誰に」届けば効果的か?
文=梶川弘徳 シー・エフ・ワイ代表取締役

先月号では、パチンコ店がWebマーケティングを成功させるためには『専門性と先進性の融合(=専門性×先進性)』という概念が重要であるということを解説しました。

Web広告を活用する場合に絶対に意識したいのが「見てもらいたい人に見てもらう」ということになります。その課題をクリアするためにも『専門性×先進性』の概念をいつも意識しながらWeb広告を活用することをおすすめします。

パチンコ店が活用すると効果的なWeb広告は大きく2種類あります。1つは検索エンジンが提供する「Google広告」や「Yahoo!広告」という広告媒体です。もう1つはパチンコ系メディア閲覧データを活用した「連携パチンコ系メディア」という広告媒体です。まずはその2つの違いを解説します。

Google広告やYahoo!広告は、それぞれの検索エンジンが運営するWebサイトや連携している他社サイトなどに広告を出すことができます。各社の広告ポリシーに多少の違いはありますが基本的な仕組みは同じです。広告を出す場合、まず初めのステップとして「ターゲティング」という作業があります。

各社で操作が異なりますが、例えばGoogle広告を活用する場合、ターゲティングの方法は大きく2つに分かれます。①オーディエンスターゲティング(広告を見てもらいたいユーザーを選ぶ方法)と②コンテンツターゲティング(広告を表示させたいサイトを選ぶ方法)です。


①オーディエンスターゲティングは、「パチンコ」や「パチスロ」、「マイジャグラーV」や「Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン」など、パチンコ・パチスロに関連するオーディエンスを設定して、興味・関心を持つユーザーと広告を直接つなげます。

②コンテンツターゲティングは、「新台解析サイト」や「実践動画サイト」など、パチンコ・パチスロのユーザーが閲覧するサイト(URL)を指定して、個別サイトと広告をつなげます。Web広告を出す場合は関連性の高い「ユーザー」あるいは「サイト」を見定めて広告を出すということになります。

一方、連携パチンコ系メディアは、パチンコ系メディアのユーザー閲覧データ(サードパーティーCookie)を活用した広告配信システムとなります。

これは「新台解析サイト」や「実践動画サイト」など、パチンコ系サイトを閲覧しているユーザーデータを利用してユーザーを追跡できる広告システムです。Google広告やYahoo!広告と比べて、よりパチンコ・パチスロに興味・関心を持つユーザーに広告を配信できるのが特徴です。


その反面、パチンコ系メディアを利用する場合、競合するパチンコ広告が多いのでブランド力や企画力での競争が起きやすくなります。また、サードパーティーCookieを利用するにあたり、運用面において注意すべきポイントがあります。

プライバシー保護の観点から世界的にCookieの規制が加速しており、今後日本でも利用できなくなります。すでにiPhoneでは即時削除されるため、追跡方式の広告配信はできなくなっています。

スマホではアンドロイドのみ、PCではWindowsのみとはなりますが、2023年までGoogleChromeでサードパーティーCookieを利用することが可能となっています。パチンコ・パチスロに興味・関心を持つユーザーとの連携が強い「連携パチンコ系メディア」は一部制限がありますが、今のところはまだ利用する価値はあるかと思います。

「Google広告」や「Yahoo!広告」と「連携パチンコ系メディア」の特性を解説してきましたが、それぞれの大きな違いとしては『リーチするユーザー』にあります。「Google広告」や「Yahoo!広告」は比較的広い層のユーザーに向けた広告配信となるため、新規開拓や認知訴求といった目的に適しています。「リニューアルオープン」や「話題機導入」などのタイミングがいいでしょう。

一方、「連携パチンコ系メディア」は比較的関心度の高いユーザーに向けた広告配信となるため、「企画の案内」や「新装開店」など、期待感を高めたい日に高い広告効果を出すことができます。このように、Web広告は目的や企画によって2つを使い分けるべきだと思います。
Web広告の配信予算(広告制作は別途)に関しては、1回あたりのキャンペーンで5万〜10万円を予算組みすれば十分かと思います。Web広告は紙媒体と違って精密なターゲティングができますので、「見てもらいたい人」を選んで配信することで広告費の無駄をおさえながら運用していくことが可能です。

次回は、専門性×先進性を実現した『ターゲティング』について解説したいと思います。

※『月刊アミューズメントジャパン』(2022年2月号)から転載


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