EC最新事情③
リニューアルで直送が可能
アイテムラインナップも豊富に

INTERVIEW
大平商会　
大平泰弘 社長

パチンコホール向けの部備品や用品を取り扱う大平商会は2014年から、ECサイト「大平商会オンラインショップ」を運営している。1月7日にサイトをリニューアルし、さらに使いやすく、継続して購入する会員がお得になる制度などを導入。大平泰弘社長にコロナ禍でニーズが高まっているECサイトについて話を聞いた。

「店舗様、法人様によって発注先が以前から決まっていたりするので、当初はBtoBのECサイトを使ってもらうのが難しかった。コロナ禍で営業に出られない日々が続いていましたが、世の中ではデジタル化が進んでいました。そこでニーズが高まっているECサイトの運営に力を入れていきたいと思いました」と話す大平社長。

コロナ禍以前は電話やFAXで注文を受け付けることが多かったが、これからの時代に合わせてECサイトに力を入れていきたいとの思いから、サイトをリニューアル。その過程で課題点も見つかってきた。

「ECサイトを担当者に任せっぱなしにするのではなく、私も運営に携わっていこうと思い進めていました。ですが、リニューアルにあたって、私とサイト運営をする社員だけでは営業や商品に関する知識が足りませんし、商品の更新などに限界がありました。そこで営業部や購買部といった各部署の社員を集めたオンライン事業部を立ち上げました。これにより各部署の知恵を出し合いながら、協力してサイトを運営でき、商品の説明や見せ方を工夫したサイトに仕上がったと思います」

まだ課題点はあるが、まずは行動していくことが大切だという大平社長。

「PDCAサイクルのP（計画）の部分を考え続けても、先には進めません。まずは行動して問題点を抽出し、そこを修正して、また実行するという繰り返しです。今はこのサイクルを速めて、やれることをやっていきたいと考えています」

いつでも、どこでも閲覧可能なオンライン上で、すべての商品を購入できるようなシステムにしていきたいという。

「まだ電話注文や、営業が訪問・打ち合わせをしてご購入いただく流れがメインですが、利便性を求めるお客様には、ECサイトでの注文をおすすめしています。オンライン上で発注できるので、FAXの記入や送信などで営業中の貴重な時間を割くこともないですし、わざわざ発注のために出社することもなくなります」

リニューアル最大の特徴
豊富な商品ラインナップへ

サイトのリニューアルで変化した最大の特徴は商品の販売方法。従来は同社の倉庫内にある在庫商品のみの販売だったが、仕入れ先の協力を得て、リニューアル後は仕入れ先から直送できる仕組みになった。

ECサイトの運営を任されている吉川拓馬係長は「ご協力いただける仕入れ先様が徐々に増えてきています。今後もさまざまな仕入れ先様との連携を高めていくことで、ECサイトで販売できる商品ラインナップも増やしていくことができます。サイトには仕入れ先様に在庫のある商品を表示しているので、発送もスムーズです」とリニューアル最大の魅力を語ってくれた。


同社の倉庫に在庫がある商品であれば、午前中までの注文で当日発送が可能。仕入れ先の商品もECサイト上で在庫があるものについては、2～3日中の発送が可能になった。

会員登録して、利用すればするだけお得になるランク制度も導入。ランクはノーマル会員から始まり、一番上のマスター会員まで6段階で分けられている。ランクを上げれば値引き率も上がっていく制度だ。

「購入金額から最大5%割引されるシステムです。普段からご利用してくださっているお客様が少しでもお得にお買い物をできればと思い導入しました」と吉川係長は話す。

同社では公式LINEも開設しており、登録すればすぐに利用できるポイントも進呈している。

また見積書はPDFで出力することができるので、社内稟議を通すのに便利だ。支払い方法もカード決済、代金引換、銀行振込から選ぶことができる。


先頭に立ってサイト運営
目標商品数は1万点

オンライン事業部には勤務年数の長い社員が在籍。だが、運営を丸投げするのではなく、大平社長を含め全員で意見交換をしながらECサイトを作り上げている。

「オンライン事業部はリニューアルから新しい取り組みに挑戦することで、モチベーション、主体性が高まっています。ですが、軌道に乗るまでは、私が確認をしながら先頭に立ち、ともに取り組んでいきます。私自身がECサイトでやりたいこともありますし、社員の案をどんどん取り込んで、お客様が求める商品を利用しやすいサイトで販売できればと思っています」

現在、「大平商会オンラインショッププラス」で販売する商品数は約1000品。今後は部備品を中心に商品数を増やしていくという。大平社長に今後の目標とECサイトに懸ける思いを聞いた。

「目先の目標は1万品を掲載すること。商品数はまだ少ないかもしれませんが、徐々に仕入れ先様も増えております。商品はこれから増えていきますので、定期的にサイトをご覧いただけると幸いです。オンライン上でいつでもどこでも商品を購入できるというのは、お客様にとっても利便性が高いと思います。今後もお客様のニーズに応えた商品選定、サイト運営を目指していきます」

※『月刊アミューズメントジャパン』2022年5月号に掲載した記事を転載しました。