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2022年11月09日
No.10003132

パチンコ店特化型広告代理店のCEOが語る 「実戦! パチンコ店のWebマーケティング」⑪
流入元を分かりやすくする『カスタムパラメータ』とは?
文=梶川弘徳 シー・エフ・ワイ代表取締役

流入元を分かりやすくする『カスタムパラメータ』とは?
かじかわ・ひろのり 株式会社シー・エフ・ワイ 代表取締役CEO  パチンコホール企業で営業部長として、営業戦略や組織マネジメントの責任者で活躍し、2009年33歳でCFYを設立。提案力が強みのパチンコ店特化型広告代理店として評価を集め、会社を成長させてきた。パチンコセミナー多数登壇。業界誌でも執筆活動中。着物のギネス世界記録ホルダーであり「きものではたらく社長」としてブログも配信中。https

今回は、Googleアナリティクスの流入元を分かりやすくする「カスタムパラメータ」について解説します。「カスタムパラメータ」とは、URLパラメータの一種で、どのような媒体やコンテンツ、キャンペーン等を経路として最終URLに来ているのかを分類・解析するために、URLの末尾に付け加える変数(文字列)の仕組みのことを指します。

カスタムパラメータを組み込んだURLをつくることによって、Webサイトではない媒体(LINE・Twitterなど)からの流入数もアナリティクスで確認できるというメリットが生まれます。WebページURLの後ろに”?“で始まる長い文字の羅列を見かけることがよくありますが、その”?“以降の部分がURLパラメータになります。(参考画像①)

Web広告を運用した場合、Googleアナリティクスでデータを確認することができますが、どの流入元(広告メディア、SNSなど)が成果に寄与しているかまでは測定できていないケースが多く見受けれらます。例えば、Google広告であれば、Googleアナリティクス上のデフォルトの設定でGoogle広告からの流入として分類されますが、Yahoo!広告やその他広告媒体を活用する場合は、独自にカスタムパラメータを設定しなければ、その媒体からの流入だということが識別できません。

つまり、Google広告以外の広告メディアやSNSを活用した場合、流入元を識別することが難しくなるという問題が生じます。その問題を解決するツールが「カスタムパラメータ」になります。

参考画像②をご覧ください。こちらは、カスタムパラメータ設定前と設定後を比較したものです。設定前の方を見るとYahoo!からの流入ということが何となく分かるURLと、全く識別不能のURLが混在して表示されていることが分かります。これでは流入元を正しく識別することが困難なので、Yahoo!からの流入は「Yahoo/display」という項目一つにまとめました。これで流入元が一目瞭然になります。


次に、カスタムパラメータで使用する定義や設定のルールを解説していきます。Googleアナリティクスで分類・解析するためには、「そのために定義されたパラメータ」を使用する必要があります。

〈カスタムパラメータの定義〉
Googleアナリティクスで使用するために定義されているカスタムパラメータは以下になります。
▪utm_source:参照元(アクセスされた参照元の判別に使用)
▪utm_medium:メディア(媒体の分類に使用)
▪utm_campaign:キャンペーン(キャンペーン名の識別に使用)
▪utm_term:キーワード(有料広告のキーワードや配信日等の識別に使用)
▪utm_content:広告のコンテンツ(複数の広告の区別、クリエイトごとの分類に使用)


〈カスタムパラメータ設定のルール〉
設定するにあたって基本的なパラメータの設定のルールとしては、以下の3つになります。
①パラメータを付与するURLの最後に”?“を付けて始める
②”パラメータ=値“の形式でパラメータを付け加える
③複数のパラメータがあるときは”&“で繋げる


このように、分類・解析するためには、「そのために定義されたパラメータ」を設定のルールに従って使用する必要があります。しかし、URLを入力するのは骨が折れる作業ですし、ミスをするリスクが大きいので便利ツールを利用することを推奨しています。

URL作成ツール
(Campaign URL Builder)
〈使い方〉
①Campaign URL Builderを起動
②”Website URL“欄に自分が運営しているサイトのURLを入力
③上記にある値を入力
④”生成されたキャンペーンURLを共有する“の欄に②③で入力した値を反映したURLが作成され、完了


続いて、Googleアナリティクス内での成果の確認方法について解説します。確認の手順は次の通りとなります。

①左側のメニューから”集客“をクリック
②”すべてのトラフィック“をクリック
③”参照元/メディア“をクリック
④表示された分析結果を確認


この手順を踏むことで、参照元やメディアごとに流入の分析結果が確認できます。

最後に、カスタムパラメータを使用するうえでの注意点を二つお伝えします。

①パラメータの値は小文字統一で。パラメータの値では、大文字と小文字を区別するので、同じ内容でも異なる参照元やメディアとして別々に数えられてしまうため、すべて小文字に統一させる必要があります。

例として、「Google、google」どちらも同じ言葉ですが、異なる経路と認識されてしまうので、全て小文字のgoogleに統一する必要があります。yahoo!なども同様です。

②LINEからの流入はdirectになる。SNS経由の流入の場合、Googleがソーシャルと認識できるメディアに限りチャネルがsocialに分類され、参照元は「facebook」などと表示されます。Googleが「social」と判断できるトラフィックは限られており、必ずしもすべてのSNSがsocial扱いされるわけではありません。LINEは、経由情報を持たないアクセスとなりdirect扱いとなります。

Web広告を活用する場合は、カスタムパラメータを使用して流入元を識別することで、どの媒体からの流入が一番成果に寄与しているか、あるいは、どのような改善が必要か? ということが明確になるため、積極的に活用してはいかがでしょうか?

※『月刊アミューズメントジャパン』2022年11月号に掲載した記事を転載しました。


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