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2022年12月06日
No.10003179

世界で戦えるeスポーツプロの輩出へ
eスポーツカフェ&バー「eスポフィールド」

世界で戦えるeスポーツプロの輩出へ
エントランス。世界へと続く扉が開かれた

都営三田線・西台駅前に12月1日、日本最大級のeスポーツ施設「eスポフィールド」が開業した。プレイエリアとフードコートで構成される店内は、国内最大級のワンフロア135坪(約446平方メートル)。プレイエリアの裏手には個室ルームも完備し、充実設備の中でeスポーツに集中できる環境を整えた。

同店が入居する建物は、駅東口から徒歩1分の5階建てビル「トミコシ会館」。築50年の歴史があるこのビルは、地域住民にはピンと来るエンタメのランドマークだ。1階でパチンコホール『プラザ西台』(総設置台数288台)、2階で「eスポフィールド」および中国料理店「王華」、3階と4階でボウリング場が営業している。

eスポーツカフェ&バーの「eスポフィールド」は、「王華」の大宴会場を改装して開業した。ビルのオーナーである東商事(板橋区)の内田任人社長は、業態転換についてこのように話す。

「eスポーツの人気ぶりには関心を寄せていましたが、eスポーツビジネスとなると、私はまるで素人。知り合いにeスポーツビジネスに情熱を注ぎたいという方がいたので、場を提供して、経営を一任することにしました」

内田社長から舵取りを託された志村進之介さんは、同店を運営するSuper Buzz(スーパーバズ)を設立。自身が代表を務め、内田社長には相談役に就いてもらった。開業にあたり、経済産業省(中小企業庁)の事業再構築補助金を利用。コロナ禍で売上が減少した中小企業の思い切った事業再構築を支援する補助金だ。

志村社長は、「申請には合理的で説得力のある事業計画を求められましたが、私には日本一のeスポーツ会社をつくるという志がある。世界に打って出られるトッププロ選手を当店から数多く輩出することで、eスポーツ先進国の韓国やアメリカ、ドイツのようにプロが世間から正当に認知される社会を実現したい」と熱を込める。

Super Buzzの志村社長

現段階では顧客ターゲットを上級者に絞らず、Z世代全般に設定している。都営三田線を利用する大学生や高校生、父兄に連れられる近隣の小・中学生、カフェ目的の女性客などだ。

主な集客方法はSNS(Twitter、Instagram、TikTok)での発信。開設するYouTubeチャンネルで動画も配信する。客単価はドリンク・フード付きで4000円弱。ひと月に1500人の来場を目指す。

「まずはeスポーツに触れるきっかけづくりの場として運営し、ゆくゆくは東京で一番、関東で一番、日本で一番を狙っていく。eスポーツの社会的な認識はまだ、“コアなゲーマーやアーリーアダプターが楽しんでいるもの”という段階ですが、その殻を徐々に打ち破りたい」(志村社長)

内田社長としても同店の開業を機に、若年層がホールに足を伸ばすことに期待する。
「そのための機種ラインナップを揃えることも、新たな変化として前向きに捉えたいですね」(内田社長)

最高クラスの環境で
充実のeスポーツライフ


店内には入場フリーのフードコートと、時間課金制のプレイエリアが広がっている。座席数約50のフードコートには南面から陽光がふんだんに差し込み、木目調の座席からは温もりが感じられる。提供フードは軽食やイタリアン料理など。ドリンクではソムリエが厳選するワインも楽しめる。

フードコート

一方のプレイエリアは照度を抑えた落ち着いた雰囲気。ハイスペックなゲーミングパソコンが40台並び、ひと際目立つ200インチのワイドLEDビジョンが迫力あるパフォーマンスを映し出す。店内で購入したフードとドリンクはPC席でも味わえる。

プレイエリア

同ビジョンの裏手には、個室ルームを3室設えた。想定する主な用途はゲーム配信。必要な機材は貸し出してくれるため、カメラやマイク、LEDライト、グリーンバックを持ち込む手間が省ける。個室料金は1室ごとの時間単位。仲間と一緒にプレイするときは割安だ。

配信設備を整える個室ルーム

「春先をメドに、当店オリジナルのリーグ戦を開催することも考えています」(志村社長)
一般的なリーグ戦はゲームタイトルごとに行われるが、志村社長は複数タイトルによるリーグを構想している。例えば4月はゲームA、5月はゲームBというように、ひと月ごとに変えていく。

「最近の大学や高校、中学校にはeスポーツ部やサークルがあります。各チームの中にはシューティングゲームAを得意とする人もいれば、格闘ゲームBを得意とする人もいる。ジャンルを越えて両方得意という人は珍しく、裏を返すとAを用いたリーグ戦では後者が参加しづらいのです。タイトルをミックスすれば、メンバーを入れ替えて参加できる。チームの総合力が試されるというわけです」

大会でプレイヤーが負担する参加費は無料。企業からの協賛で運営する方針だ。上半期と下半期で上位各3チームを選抜。クライマックスシリーズを経て年間の優勝チームを決めるという。

「日本ではコンシューマーゲームがこれだけ普及してきたのですから、ゲームにおけるポテンシャルが世界と比べて見劣りすることはないはずです。私はeスポーツのプロプレイヤーを一つの職業として確立させたい。将来的な世界展開も見据えて、当店から文化を築き上げていきたいです」(志村社長)


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