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請求書の電子化で業務の効率化を実現｜マルハン
BtoBプラットフォーム 請求書／導入企業レポート

2021年に社内カンパニー制を導入してスピーディーな意思決定を図るマルハン。間接部門のDXにも意欲を見せる同社は同年、請求書の受取と発行を電子化するためにインフォマートが提供する電子請求書サービス「BtoBプラットフォーム 請求書」を導入した。実際にどんな効果があったのか。東京本社の経理部を訪ねた。

全国でホール312店舗（2023年10月現在）を運営するマルハン。国内では北日本カンパニー、東日本カンパニー、西日本カンパニーがそれぞれの経営判断でホールを運営していて、原則経費等の支払いの申請は店舗を含めた各拠点で行い、請求書発行などの対応は本社間接部門で行っている。

「ＢtoＢプラットフォーム 請求書」は現在、国内で90万社以上が利用する電子請求書サービス。マルハンがこのサービスを導入したのは21年。ちょうど新型コロナウイルスが猛威を振るっていた時期だ。経理部経理二課の松本圭貴チーフは導入の経緯をこう振り返る。

「当時、請求書発行は手書きで対応していた中、当社調達部で受領請求書を電子化する検討を進めていたことから、そこに乗らせてもらう形で請求書発行の電子化も検討することになりました」

発注件数が年間20万件

請求書に関しては受取と発行という2つの業務が発生する。まず受取に関して同社では、定例の契約に基づいて支払う経費支払いと、都度見積もりを依頼する購買発注という2つの支払い方法がある。

購買発注は、店舗の広告費や修繕費などがこれに該当する。ただし購買発注では、各所管部署の担当者が見積書をベースに社内のワークフローに金額などを入力、承認した時点で経理部が把握。送られてきた紙の請求書は後日、本社に送られ、倉庫に保管されていた。

一方、請求書の発行は本社の各間接部門で行うことがほとんどだが、件数はそれほど多くはない。ただ、各担当者がその都度経理部に行き、手書きの請求書綴りを借りてきて記入。上長の承認を得た後、再び経理部に届けるという作業が発生していた。

電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応

請求書の受取と発行に関してこうした課題を持っていた同社だが、コロナ禍を受けて請求書の電子化は喫緊の課題になっていった。

「テレワークをしなくてはならない状況でしたが、紙の請求書だけはどうしても出勤しなくては発行できない状況で、会社以外にいても請求書を発行できる仕組みが必要になりました」

では、請求書の電子化サービスを手掛ける会社は数多くあるなかで、なぜ同社は「BtoBプラットフォーム 請求書」を選んだのか。経営企画部情報システム課の宮﨑陽介チーフはこう説明する。

「国内シェアナンバーワンということで、パチンコ業界でも遊技機メーカー様や販売会社様をはじめとしてすでに導入しているお取引先様が増えていたことがひとつ。また、グループ会社でゴルフ場運営の太平洋クラブが15年から導入していたのでアドバイスしていただけたことも背中を押してくれました」


ほかにも電子帳簿保存法や今年10月度からスタートしたインボイス制度への対応といった課題もあった。「従前通りの手書きでの対応では、要件を満たした請求書の発行に対する統制も難しかったと感じます」（松本チーフ）

「BtoBプラットフォーム 請求書」は22年12月時点で、国内大手企業の94％以上、パチンコ業界関係企業でも1500社以上が導入するまでに広がっている。マルハンでは導入から2年。いま経理部ではどんなメリットを感じているのか。松本チーフは本社社員の省力化の効果を実感している。

「請求書発行については、これまでは本社間接部門の担当者が経理部まで請求書の用紙を取りに来て、自部署へ戻り記載。上長捺印後に郵送での発送手続きをし、請求書の用紙を経理部に返却するという流れでした。その時間だけで15分はかかります。それが今ではパソコン上だけであっという間にできるようになった。業務効率化への貢献は十分にありました」

世の中でDXが進んでいく中で、遊技業界は未だにファクスなど「紙の文化」が残っていると言われている。そうした中、リーディングカンパニーであるマルハンが紙の請求書を電子化したことは注目に値する。だが、巨大企業であるがゆえに従来のシステムを変更することは大変な作業だったという。宮﨑チーフは今後請求書の電子化を考えている企業へのメッセージとしてこんなアドバイスを送る。

「ＢtoＢプラットフォーム 請求書を導入するタイミングでは、当社でも今まで通り手書きの請求書でいいのではという声も当然ありました。でも導入後時間が経つにつれて、請求書の発行が楽になったという声が増えてきています。まずは導入当初の心理的な抵抗感を少なくしていくことが大事なのではないでしょうか」








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文＝アミューズメントジャパン編集部
※『月刊アミューズメントジャパン』2023年12月号に掲載した記事を転載しました。