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2026年03月09日
No.10005161

思わず応援したくなるホールとは
【毎週金曜日更新】全日本学生遊技連盟・週刊連載コラム㉑

思わず応援したくなるホールとは
全日本学生遊技連盟職員・三浦圭翔 子守唄代わりに、父が打つガラケー版『北斗の拳』で眠りにつくという英才教育を受けて育った。好きな機種は当然『スマスロ北斗の拳』

私は過去のコラムで、行きたくなるホールの条件として、低貸しコーナーの設置数や扱いの良さ、ホールまでのアクセス性などを挙げてきた。これらが若年層の来店動機になるという考えは今も変わらない。しかしその一方で、そうした条件を満たしていなくても、思わず応援したくなるホールに出会うことがある。今回は、その理由と特徴について整理して述べたい。

まず一つ目の特徴として挙げたい要素は、ホールの「清潔感」である。ただしこれは建物の築年数を指すものではない。むしろ年季の入ったホールにノスタルジーを感じ、好ましく思うことさえある。ここで言う清潔感とは、トイレや喫煙所といった目につきやすい場所、さらに台の周囲などの清掃状態のことだ。遊技中は台やスマホに集中しており周囲を見る余裕は少ないが、トイレ休憩や喫煙の時間は集中が解け、最も周囲に意識が向く。その瞬間に目に入る光景は強く印象に残るため、これらの場所まで清掃が行き届いており、 設備への配慮が感じられる店は、それだけで好印象につながる。

また、台の周囲も重要である。遊技中、人は必ず台と向き合う。近年は台間ボード設置の影響もあり、台周辺は「自分のテリトリー」のように感じられることが多い。そのため空間が汚れていると、自分の領域を侵されたような不快感につながり、遊技体験にも悪影響を及ぼす。さらに遊技中は飲み物や配布物でゴミが出ることも多く、その処理が小さなストレスになる。しかし、台上などに不要物を置けるスペースがあれば視界から外せるうえ、処理の手間も減り、気兼ねなく遊技できる。こうした台周りの清潔維持と細かな配慮は、印象改善と体験向上の両面で重要な要素だと考える。

なかでも、トイレの清潔感は強く印象に残る

そして二つ目は「店員との関わり」である。遊技業界は過去のイメージ戦略もあり、ユーザーだけでなく未経験層にも「接客が良い業界」という認識が広く浸透している。だからこそ期待との乖離が生じれば強く目立つ。一方で高水準が前提の業界でも、強く印象に残る接客がある。そのポイントは、利用者が「感謝する瞬間があったかどうか」である。

以前、私はホールに大切な物を忘れてしまった。それは特別高価な物ではなく、処分されても不思議ではない物だった。後日、その忘れ物があるホールで保管されていると分かった。しかしその店はアクセスが良い場所ではなく予定もが詰まっていたため、すぐに受け取りに行くことが難しかった。私がそのことで悩んでいたところ、店員の方が私の事情に寄り添って、保管方法や受け取り時期について懇切丁寧に対応してくれた。忘れ物管理は手間がかかるだけで収益には直結しない。それでも親身に対応してくれたという経験は強く印象に残り、その店を応援したいという気持ちにつながる。

接客レベルの高さが当然視される業界だからこそ、顧客が改めて感謝を覚える体験は極めて価値がある。顧客に感謝される接客とは単なるマニュアル遵守ではなく、人材育成の質から生まれるものだ。そして、この差がホールの印象を決定づけ、長期的な支持につながっていくことになる。

他業界でも同じことが言えるのだが、人を惹きつけるのは「人」なのである

ユーザーもこの接客レベルの高さを当然視せず、適切に評価することが、結果として優れたホールを残すことにつながるはずだ。

応援したいと思えるホールの存在は、その店に向かう心理的なハードルを下げる。最も頻繁に通う店になるとは限らないが、気にかける時間が増え、「久しぶりに行ってみよう」と思うきっかけにはなる。こうしたホールこそが、顧客に長く親しまれ、これからの時代を生き残っていくのだろうと私は思う。

文=三浦圭翔(全日本学生遊技連盟)


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