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2026年03月13日
No.10005164

若者とパチンコの入口をつくる挑戦
【毎週金曜日更新】全日本学生遊技連盟・週刊連載コラム㉒

若者とパチンコの入口をつくる挑戦
全日本学生遊技連盟職員・岸野楽人 一番好きな機種は『L革命機ヴァルヴレイヴ』、最近ハマっている機種は『eぱちんこ押忍!番長 漢の頂』と『L東京喰種』

今までの僕のコラムでは、若者がパチンコやパチスロに触れる入口について考えてきた。「また打ちたい」と思える体験はどこで生まれるのか。そしてそれは設計できるのか。そんなことを書き続けてきたが、この数カ月はその答えを実際に試す時間でもあった。

まず一つは、学生パチンコ・パチスロ大会「PS:JAPAN」だ。今回は企画班のメンバーとして関わり、主軸の一人として大会を動かす立場になった。去年は選手として決勝大会に出場していたので、同じ大会でも見える景色はまったく違った。運営側に立って初めて分かったのは、この規模の大会がどれだけ多くの人に支えられて成り立っているのかということだった。学生だけでなく、企業の方々や関係者のサポートがあって、初めて大会が形になる。選手として参加していたときには、そこまで深く想像できていなかった部分でもある。

「PS:JAPAN」の超ディスクアップ対決で前で盛り上げてる様子


カチモリ対決で審判をしている様子

一方で、課題も見えた。今回は学生が内部まで深く関われた大会とは言いきれず、ルール面でも細かい不備が残った部分があった。だからこそ2026年度の「PS:JAPAN」はこの経験を活かして、より学生主体の大会として運営していきたいと思っている。

「PS:JAPAN2025」の全体写真

そしてもう一つ、今回自分の中で大きな挑戦だったのが、パチンコ・パチスロをテーマにした脱出ゲーム企画だ。このアイデアを考えたのは、去年の5月か6月頃だったと思う。僕の中にあったのは、ノンユーザーや初心者がもっとフランクにパチンコに触れられる入口を作れないか、という思いだった。
ただ、実現までの道のりは決して順調ではなかった。この企画では実現できないと言われたこともあったし、やっと形が見えてきたと思ったタイミングで頓挫したこともあった。それでも、「0から1」を作る場所を作りたいという思いだけは変わらなかった。

集客も、正直なところ目標には届かなかった。最終エントリーは51人。当日の参加率は約60%だった。準備を重ねてきただけに、もっと多くの人に届けられたのではないかという悔しさは残っている。

それでも、当日会場で起きていた光景は、今でも強く印象に残っている。イベントの最初に、僕が簡単なパチンコ・パチスロの初心者講座を行い、その後は実際の遊技サポートにも入った。初めて触れる人でも不安なく楽しめるように、できるだけ近くで説明を続けた。すると、会場のあちこちから笑い声が上がり始めたのだ。初めて打つパチンコに対して、驚いた声が聞こえ、自然と盛り上がりが生まれていく。参加者が楽しそうに遊技している姿を見て、やってきたことは間違ってなかったなと、そう確信した瞬間だった。これまでこの連載で書いてきたことが、その瞬間、目の前で起きていた。

脱出ゲームでノンユーザーの参加者たちにパチンコの打ち方を教えている様子


脱出ゲームでノンユーザーの参加者たちにパチスロの打ち方を教えている様子

参加者の満足度は、アンケート結果でもはっきり表れていた。28人の回答のうち、25人が大満足、3人が満足と、満足度は100%だった。さらに興味深かったのは、その後の変化だ。これまでホールに来店したことがなかった参加者のうち、14人が「これからは来店したい」と回答してくれた。もちろん、これだけで業界の未来が変わるわけではない。集客や運営、ゲーム内容の完成度など、反省点はいくつもある。それでも会場で見た光景と、この結果を合わせて考えると、一つだけ確信できることがある。

入口があれば、人は触れてくれる。

学遊連として、学生主体の企画として、ここまでの形を実現できたのは初めてだったと思う。やり切って良かったと思える挑戦だったし、同時に次はもっと面白くできるという確信も生まれた。若者と遊技の距離をどう縮めていくのかというテーマに答えは存在しないと思う。それでも今回、自分たちなりの入口を一つ創ることはできたと思っている。そして次は、もっと面白い入口を作ってみたい。

脱出ゲームの全体写真

文=岸野楽人(全日本学生遊技連盟)


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