ニュース

ニュース内を

2018年11月07日
No.10000886

回胴遊商
沖縄の未来 支える活動
サンゴ植え付けで環境保全と学びを

沖縄の未来 支える活動
活動に参加した回胴遊商の組合員が両手で「さん(3)ご(5)!」のポーズで記念撮影

回胴式遊技機商業協同組合が組合事業として毎年実施しているサンゴの植え付け活動が今年も10月18日、沖縄県宜野湾市の宜野湾マリン支援センターで行われた。今年で11年目を迎えたこの活動は、環境保全活動の域を超えて、沖縄の子どもたちの学びの場に広がっている。




「みんなの中で、恐竜に会ったことがある人~?」
「ハーイ!」

子どもたちの元気な返事が部屋中に響き渡る。講師を務めるのはNPO法人コーラル沖縄の成田隆一事務局長。恐竜が環境の変化で死滅してしまったように、いま沖縄の海の動物であるサンゴも死滅の危機に瀕していることを、回胴遊商が招いた子どもたちにわかりやすく説明する。会議室の後方では、回胴遊商の組合員がその姿を目を細めて見守る。

植え付け作業の前には座学で沖縄のサンゴについて学んだ

コーラル沖縄が実施しているサンゴ植え付けプログラム「Save the Coral」では、こうした座学の後でセンターの倉庫内にある生簀に移動。水槽の中に用意されたおよそ5センチ四方の琉球石灰岩にサンゴの苗を輪ゴムで固定する作業を行う。

この日は子どもたちが行うこの作業を組合員が指導しながら一緒に行っていた。このサンゴの苗は2~3カ月間陸上の蓄養施設で養生され、その後沖縄の海へ輸送してダイバーが海底の岩盤にコーキング材を用いて固定する。

空気に触れないように水の中でサンゴの苗を石灰岩に輪ゴムで固定する植え付け作業

琉球石灰岩にサンゴの苗を輪ゴムで固定する植え付け作業

植え付け終了後はセンターの屋上で昼食。子どもたちのために組合員が朝から準備したバーベキューをふるまった。

回胴遊商が環境保全活動としてこの取り組みを始めたのは11年前。当時、九州・沖縄支部の支部長だった木村滋さんが沖縄の組合員からサンゴの養殖の話を聞いたことがきっかけだった。

沖縄の海では、地球温暖化などが原因とみられる海水温上昇によるサンゴの白化現象や、オニヒトデなどによる食害、港湾整備に伴う赤土汚染などでサンゴが死滅し、絶滅の危機にある。とくに近年は海を撹拌して海水温度を下げる台風のルートが変わり、海水温度が下がらないため、高温に弱いサンゴが白化してしまう現象が顕著だという。

地元のダイビングショップの人たちを中心に活動しているコーラル沖縄では、12年前からサンゴの養殖をはじめていたが、一般の人にもサンゴに関する情報を共有してもらおうと、苗の植え付けプログラムを始めたという。

回胴遊商の九州・沖縄支部では当初、沖縄県の教育委員会に相談するなどして適応障害を持つ子どもたちを招待していたが、4年前からは地元の保育園児を招くようになった。今年は4つの保育園から55人の園児を招待した。

回胴遊商からは支部の組合員と執行部ら計60人が参加。九州・沖縄支部の環境保全活動として始まった取り組みだが、いまでは回胴遊商の事業のひとつとして位置づけられている。環境保全活動という意義のほかに、子どもたちに学びの場を提供するという意味合いも大きくなってきた。

九州・沖縄支部の林田伸一支部長は「沖縄の子どもたちを呼ぶことによって、その子たちが大人になった時に、自分たちの手でしっかり自分たちの海を守ったんだというひとつのきっかけづくりになれば」と活動の意義を語り、「4年前に体験した園児たちはもう小学校の高学年。サンゴも子どもも、すくすくと成長してほしい」と話す。

回胴遊商 九州・沖縄支部の林田支部長

コーラル沖縄との信頼関係も深まっている。11年にわたって回胴遊商とともに活動してきた成田さんは「もう自分たちがいなくても組合員さんがすべて進めてくれる。継続して支援していただけるケースは少ないうえ、自分たちが参加するだけでなく地域の子どもたちを呼んでいただいていることに感謝しています」と笑顔を見せる。

コーラル沖縄の成田さん

「植え付けの活動自体は富士山の樹海で箱庭を作っているようなもの。それでも、沖縄の子どもたちがサンゴについて学ぶ大切な機会になっています。組合員さんにも多くの人にサンゴに関する情報を広めていただきたいですね」(成田さん)

宜野湾マリン支援センター





パチンコ・パチスロ最新記事