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2019年07月24日
No.10001300

マカオ大学 工商管理学院
IR経営管理学 東京で集中講座開催
ギャンブル依存問題対策を中心に

IR経営管理学 東京で集中講座開催

マカオ大学工商管理学院は、統合型リゾート(IR)学科の講義のエッセンスを伝える短期集中講座を7月5日から3日間、東京・池袋で開催。海外からの参加者を含む約50人のビジネスパーソンが参加した。

公立マカオ大学工商管理学院(日本の経営学部に相当)と同大学のアジア太平洋経済経営研究所は、統合型リゾート産業およびこれに関連する公共政策を学術的に研究し、その知見を政府や産業界に提供してきた。同大学の工商管理学院は世界的にもユニークな「国際統合型リゾート・マネジメント学科」を有し、統合型リゾートに関わるゲーミング、ノンゲーミングの両領域の経営管理知識と業界トレンドを学ぶ機会を提供している。このプログラムの修士課程の学生の多くは、IR産業関連企業で働く中堅社員。

7月5日から3日間にわたり東京・池袋のホテルメトロポタン池袋で開催された「グローバルリーダーシップ育成プログラム(GLDP)~国際統合型リゾート経営管理学」は、IR産業関連企業の上級幹部候補生向けの短期訓練課程。2013年以降これまでに、①マカオ・香港、②シンガポール、③韓国、④マカオ・広州・横琴で開催され、昨年7月に第5回目が初めて日本(長崎県佐世保市)で開催された。マカオ開催の第6回を経て、今年、立教大学とのパートナーシップにより初めて東京での開催が実現した。

東京開催には、マカオのIR産業関連企業からの約15人と日本からの約30人を中心に、韓国人、アメリカ人、スペイン人など多彩な顔触れの計51人が参加。日本からの参加者は、IR誘致を目指す都市の事業者が目立った。

講義は、グレン・マッカートニー教授による「国際統合型リゾート管理学入門」と「IRにおけるノンゲーミング・マネジメント」、ロビン・チャーク教授による「ギャンブリング障害研究、レスポンシブル・ゲーミング(RG)政策」、リカルド・シウ教授の「レジャー産業への応用経済学」など5講座。ゲーミング部門のマネジメントに関する講義はなく、半分以上の時間がギャンブリング障害予防対策、RG政策について。

グレン・マッカートニー教授 Prof. Glenn MaCartney

ロビン・チャーク教授 Prof. Robin Chark

リカルド・シウ教授 Prof. Ricardo Siu


政府は2003年にマカオ大学内に「カジノ研究所」を設立し、初の全国調査である「マカオ住民のカジノ参加状況調査」を委託するなど本格的な実態調査を開始した。政府の委託を受けたマカオ大学の教授らが2007年にレスポンシブル・ゲーミングの「指導原則」を提出。翌2008年に政府は「責任あるギャンブリング政策」の推進を宣言した。

マカオでは、カジノライセンスの開放による新規カジノの開業ラッシュによってギャンブリング障害の有病率が上昇していたが、ほどなくRG政策の効果が表れた。2013年調査ではギャンブリング障害が疑われる市民の割合は0・9%(DSM4によるスクリーニングテスト)にまで下がり、2003年の水準を下回った。これは、香港市民、シンガポール国民の有病者率と同水準だった。

GLDP2日の7月6日には受講者以外にも聴講を公開して、「日本IRの社会的な負の影響の極小化」をテーマにしたフォーラムが開催された。

最終日は会場を立教大学池袋キャンパスに移し、プログラムの仕上げとして、参加者による15分間の課題発表を実施。課題は「日本におけるギャンブリング障害の予防対策」で、参加者は8グループに分かれ、3日間の受講とグループ討議の成果を日本語と英語で発表した。

最終日の成果発表会に向けて講義の合間にグループディスカッションを行った




〔参考〕 世界中の大学の学術レベルのランキングのひとつ、Shanghai Ranking Consultancyが発表している「世界大学アカデミック・ランキング(ARWU)」(上位500校を公表)によると、マカオ大学は「ツーリズム・マネジメント」分野で世界51-75位に入る。日本の大学の学部は上位300位に入っていない。


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