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2020年07月10日
No.10001829

ネクステリア代表取締役 森本耕司
データ分析で”未来の稼働“を予測する者が勝つ時代
連載コラム② パチンコ業界の思い込みから脱却

前回、”客数アップ“との相関関係を分析すると、「放出」よりも「ラインナップ」の方が戦略上はるかに重要であることを紹介した。つまり、人は打ちたい台があるから来店するということだ。だからこそ、ライバルよりもラインナップを強化することで業績アップが図れる。

しかし、「あの店がこの機械を10台導入するようだから……うちも10台」というようにライバルの真似をして、新台導入や増台、撤去の方針を決めていないだろうか? 真似をすると差別化できないため、規模の勝負となってしまう。しかもお客目線ではないため、いつまで経っても独自性がつくりだせない。

では、他店の真似をせずに、ラインナップを強化するためにはどうすればよいのだろうか? もちろん、主観や勘頼みでは意味がない。ここで「ビッグデータ」が再び登場する。良い機械の目利きをするために必要不可欠なのが、過去の機械評価だ。優秀な機械にはそうなるべく”兆候“がある。それを掴むために、重要指標を数値化しておくことが大切だ。

機械を評価する基準は主に二つ、「現在の評価」と「生涯成績の評価」だ。そして、それぞれの評価を点数化するために大事な指標がある。

▼現在の評価 
 ①未来の稼働 ②未来の客数
▼生涯の評価 
 ①生涯の寿命 ②客数 
 ③女性人気度

現在の評価は”増台選定“のときに、生涯の評価は”新台選定“のときに役立つ。この二つを正確に評価することが、ラインナップをより良くするためには欠かせない。このような分析を徹底している店舗は少なく、まだデータを活かせていない状態なのだ。逆に言えば、チャンスでもある。

一つ例を挙げよう。「1年後の稼働率30%以上の機械」は何機種ぐらいあると思うだろうか?当社で分析したデータによると、パチンコで10機種、パチスロでも10機種もある。実は、「10週稼働率30%の機械」も10機種ずつあるのだが、半分以上が異なる。1年という長い期間まできちんと分析している人がほとんどいないため、この事実は知られていない。機械を2~3カ月だけで判断してしまうのは危険なのだ。

また、データ分析をすると「現在の稼働」から「未来の稼働」を予測することができるようになる。「本当にそんなことできるのか?」とお感じだろうか。当社では、実際に予測するための算定方法を独自に編み出した。未来の稼働を読むことができれば増台・撤去の判断がハッキリする。客数アップにつながる機械を高い精度で予測することが可能なのだ。

正直、これまでのやり方や慣習に従っているほうが楽だと思う。ただ、その慣習をいかに手放すかで店舗の将来が決まっていく。ビッグデータで未来を読み、新台導入・増台・撤去を高い精度で実行する店舗が業績を伸ばすことができるようになる時代だ。

次回は、ラインナップを使った具体的な戦略に迫る。

著者プロフィール


もりもと・こうじ 地域1番店を作る戦略家。パチンコ業界の膨大なデータから業績を上げる8つの法則を発見。現在累計で54店舗の地域1番店を作ってきた実績を持つ。「成果と地域1番店にこだわり、本質を突く」という理念のもと行う研修が人気だ。日本最大のマーケティングポータルサイト「マーケター通信」では常にTOP10に入る人気コラムを執筆。パチンコ業界だけでなく、各方面からの呼び声も高い。過去に、2つの会社のIPO(上場公開)に深く関わった経歴を持つ。


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