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2022年03月15日
No.10002702

特集 SDGsことはじめ① Interview
持続可能な開発目標はみんなの幸せのため
平成観光 東野昌一 社長

SDGsが国連総会で採択されたのは2015年。平成観光は、その2年後の17年に取り組みを始めた。現在はSDGsの7つの項目で、具体的な目標を定め行動に移している。

東野昌一社長は、「SDGsには17の項目があるんですが、全部はとてもできません。できるところから取り組んでいこうというのが私たちの基本的な考え方です」と話す。

2017年に取り組みを開始する前に、本社スタッフ全員に17の目標の中から一つを選び、自分は具体的にどう行動するかを掲げてもらった。開発目標の「1.貧困をなくそう」ならば具体的な行動は、「食品ロスをなくす、食べ残しをしない」。「6.安全な水とトイレを世界中に」ならば、「トイレをきれいに使い、率先して衛生環境を整える」といった具合だ。この内容を社内報に掲載したところ、店舗で働くスタッフも含め全社的に意識が高まった。

取り組み開始にあたって、東野社長は社員に次のように呼びかけた。

「SDGsと聞くと難しく考えてしまうかもしれません。でも、『みんなが幸せを感じられる社会をみんなで実現していこう』という、とてもシンプルでわかりやすい目標です。SDGsの理念、『誰一人取り残さない』に沿って、平成観光の持続的な取り組みとして2030年のゴールに向けて積極的に行動してまいります。みなさんのご協力をお願いします」

現在、平成観光が社を挙げて取り組んでいるSDGsは「1・4・5・6・7・11・12」の7項目。例えば「1.貧困をなくそう」ならば、「端玉景品のお菓子を定期的に集め定期的に児童養護施設に寄贈する」など、行動は身近で具体的なものだ。

女性が生き生き働く環境も
SDGs達成で整備する



平成観光では以前から、「女性プロジェクト」として、女性が働きやすい環境をつくり、女性役職者を育成することを目指していた。SDGsの「5.ジェンダー平等を実現しよう」の取り組みが始動したことで、このプロジェクトもパワーアップした。その一例が、「女プロ(女性プロジェクト)のLINE公式アカウント」だ。「制度、身だしなみなど役立つ情報の検索機能」「各店の過去の装飾をデータベース化」など、女性プロジェクトと気軽にコンタクトを取ることで、女性が働きやすい環境を整えていこうというものだ。わからないことを質問すれば、回答もしてもらえる。友だち登録は男性もでき、みんなで一緒に目標を達成するためのツールとして活用されている。

女子プロジェクト推進のために、タスク班を再編。
「発行物班」と「SNS班」を設置して情報発信の幅を広げている


「7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」では、全店舗でLED照明器具に切り替えたほか、電気を見える化したり太陽光発電の導入を検討することなどを謳っている。

「『KEIZ手稲店』は昨年、未来のコト社の省エネシステムを導入。日本冷凍空調設備工業組合から優良省エネルギー設備顕彰の奨励賞を受賞しました。他店でも同様のシステムを順次導入。これまでとは異なった方法で適正な換気回数を確保しながら、さらなる省エネを実現しています」

ウミガメや魚が飲み込んで死んでしまうなど、海洋プラスチックごみが大きな問題になっている。レジ袋を減らすために『KEIZ』のロゴを配したオレンジ色のエコバッグを作り、本社がある岐阜県多治見市に寄付をした。「SDGsのCO2削減や『14.海の豊かさを守ろう』といった目標を、身近に感じてもらえればと思っています」。 

「11.住み続けられるまちづくりを」に関しては、地域清掃を継続して行なっている。「うちの店長と他のホール企業の店長さんが意気投合して始めた合同清掃も行なっています。作業効率が良くなるだけでなく、業界全体の認知度やイメージの向上にもつながっていくのでないかと思います」。

丈夫でたくさん入るエコバッグ。コンパクトに折りたためるので常に持ち歩き
コンビニやスーパーでの買い物に使えば、レジ袋の削減に貢献する


他の項目でも具体的で持続可能な行動が多い。「4.質の高い教育をみんなに」では、入社1年目〜3年目の社員に年4回の研修を行っているほか、ハラスメント研修や女性リーダー育成研修など、女性が働きやすい環境づくりのための研修も行っている。「6.安全な水とトイレを世界中に」に関しては、店舗の清潔なトイレを災害時だけでなく地域社会のインフラとして提供している。

地球の住人の一人として
全員で取り組むべき行動


「SDGsの取り組みは、企業としての業務効率化や人材活用、コスト削減といった目標と重なる部分もあります。でも、これらは第一の目的ではなく、SDGs達成のために行動した結果として、ついてくるものだと思います。もしかしたら、南の海にいるウミガメの健康まで考える必要はないのかもしれません。でも、海の環境悪化は、巡り巡って私たち人間の健康にも影響を及ぼすかもしれない。“地球の住人の一人”として、みんなと一緒に自分も幸せになるための行動。そう考えるとSDGsはすごくわかりやすいのではないかと思います」

※『月刊アミューズメントジャパン』2022年3月号に掲載した記事を転載しました。


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