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2026年10月14日
No.10005453

人口の増減だけでは見えない地域差|国勢調査で考える店舗のこれから

人口の増減だけでは見えない地域差|国勢調査で考える店舗のこれから

総務省統計局は10月9日、政府統計を視覚化するWebコンテンツ「統計Viz」の「わがまちの人口ピラミッド」を更新した。9月29日に公表された2025年国勢調査の結果を反映し、地域ごとの年齢構成やその変化を確認できる。全国的に人口減少が進む一方、主要都市でも人口が増える地域と減る地域に分かれ、人口が増えていても一部の年代では減少しているケースがある。こうした地域の変化を知ることは、今後の店舗運営やブランディングを考えるうえでも重要な視点となる。


人口が増える都市、減る都市

総務省が9月29日に公表した2025年国勢調査の人口等基本集計によると、日本の総人口は1億2297万2528人で、2020年から317万3571人(2.5%)減少した。全国1719市町村のうち、人口が減少したのは1568市町村で、全体の91.2%を占める。人口減少が全国の大半の自治体に広がる中、都市部では異なる動きが見られる。

東京23区、横浜市、大阪市、名古屋市、神戸市、福岡市、千葉市の7地域について、2020年から2025年までの人口変化を比較した。東京は東京都全域ではなく東京23区を対象としている。東京都全域には多摩地域や島しょ部も含まれるため、他の都市と都市部の人口動向を比較する観点から区部に絞った。東京23区は23の特別区をまとめた地域であり、他の6市とは行政区域や人口規模が異なるため、人口の実数だけでなく増減率にも着目した。


同じ首都圏でも、東京23区の人口は2.2%増加した一方、横浜市では0.7%減少した。関西でも大阪市が1.9%増加したのに対し、神戸市は2.0%減少している。7地域の中で最も増加率が高かったのは福岡市の3.1%で、名古屋市は0.6%増にとどまった。人口が集中する大都市であっても、その増減は一様ではない。


人口が増えても、すべての年代が増えるわけではない

人口総数からは見えない違いが、年齢別の人口構成にある。神戸市では65歳以上の人口割合が30.8%となり、2020年から1.9ポイント上昇した。名古屋市の65歳以上人口割合は25.4%、福岡市は22.3%で、都市によって高齢者が占める割合にも違いがある。

人口が増加した都市でも、年齢別に見ると減少している層がある。福岡市の総人口は2020年から5万401人増えたものの、15歳未満の人口は20万5064人から19万5510人へと9554人減少した。人口に占める15歳未満の割合も12.7%から11.8%に低下している。

千葉市でも同様の動きが確認できる。総人口は1万9895人増加したが、15歳未満は8073人(7.2%)減少した。一方、15〜64歳は2万4425人増、65歳以上は3543人増となっている。65歳以上人口は増えているものの、総人口に占める割合は26.8%から26.6%に低下した。他の年代を含む人口全体の変化によって、人数が増えても構成比は下がることがある。

※福岡市と千葉市の年齢別人口は、年齢が不明な人の人数を統計的に補った「不詳補完値」を使用。千葉市の2020年比較値には、国が2025年の結果公表に伴って過去に遡り再集計した数値を使用しているため、2020年当時の公表値と異なる場合がある。

福岡市と千葉市に共通するのは、人口総数が増えている一方で15歳未満人口が減少している点だ。15歳未満の人口はパチンコホールの現在の来店需要を示すものではないが、地域人口の変化を理解するうえでは重要な数字となる。人口が増えているという事実だけで、すべての世代が増えていると判断することはできない。


同じ市内でも人口の動きは異なる

人口の変化は、同じ都市の中でも一様ではない。千葉市では6つの行政区のうち、中央区、花見川区、美浜区の3区で人口が増加した一方、稲毛区、若葉区、緑区の3区では減少した。中央区の人口増加率は7.2%、美浜区は4.9%だったのに対し、若葉区と緑区はそれぞれ1.0%減少している。

千葉市全体では2.0%の人口増加でも、店舗が立地する地域によって状況は異なる。市全体の人口が増えているという情報だけでは、個々の店舗を取り巻く人口環境まで把握することは難しい。自店のある地区だけでなく、周辺地域を含めた人口の増減や年齢構成を確認することで、地域の特徴をより具体的に捉えられる。


自分の地域の人口構造を確認できる「統計Viz」

総務省が更新した「わがまちの人口ピラミッド」は、地域の年齢構成とその変化を視覚的に確認できるツールだ。人口ピラミッドとは、男女別・年齢別の人口を棒グラフで表したもので、どの年代に人口が多いのかを把握できる。数字の一覧だけでは分かりにくい年代ごとの人口の偏りや、過去からの変化をグラフで確認できる。

今回の更新では、2025年国勢調査の結果が反映された。現在の市町村の単位に合わせて過去の人口構造を確認できる「2025年境域」の仕組みも用意されており、市町村合併などで行政区域が変わった地域についても、過去からの人口変化を追いやすくしている。

これまで人口統計を詳しく調べたことがない店舗関係者にとっても、自分の住む地域や店舗が立地する自治体の人口構造を知る入口となる。人口総数だけでなく、年齢別人口を時系列で確認することで、地域がどのように変化してきたのかを捉えられる。


数字を知ることで、店舗のこれからを考える

地域の人口構造は、パチンコホールをはじめとする店舗ビジネスにとって、今後の運営方針を検討するための基礎情報となる。例えば、自店の主要顧客が多い年代について、地域の人口が増えているのか、減っているのかを把握することは、将来の顧客層を考える材料になる。実際の来店客の年齢構成と地域の人口構成を比較すれば、どの年代との接点が多く、どの年代への情報発信やサービスを検討する余地があるのかを考えるきっかけにもなる。

店舗のブランディングにおいても、地域人口の変化は一つの判断材料となる。若い世代との接点をどうつくるか、高齢者にも利用しやすい店舗環境をどう整えるか、地域の中でどのような店舗として認識されたいのか。人口構造を把握することで、接客やサービス、広告、店舗イメージの方向性を検討する視点が得られる。

国勢調査が示すのは地域に住む人の人口構造であり、実際の遊技参加率や来店需要を直接示すものではない。15〜64歳という統計上の区分にも、パチンコホールを利用できない18歳未満が含まれる。実際の経営判断には、遊技参加状況や自店の顧客データ、交通環境、競合店舗の状況などを組み合わせる必要がある。

地域の人口が増えているか、減っているかだけでなく、どの年代が、どの地域で、どのように変化しているのか。その数字を知ることは、現在の商圏を理解するだけでなく、これから誰に選ばれる店を目指すのかを考える出発点にもなる。人口構造の変化を継続的に把握することが、今後の店舗運営やブランディングを検討するうえでの基礎となる。


文=アミューズメントジャパン編集部

総務省統計局「わがまちの人口ピラミッド」
https://www.stat.go.jp/viz/th-pyramid/index.html


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