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2022年01月19日
No.10002615

【特集】急増する企業eスポーツ部④
大阪デリバリー/eスポーツに本気でチャレンジ
採用とブランディングに活用

大阪デリバリー/eスポーツに本気でチャレンジ
「Team OE」のキャプテンを務める齋藤さん

大阪デリバリー(大阪市)は、物流から倉庫保管サービス、人材派遣まで行う企業。同社はeスポーツチーム「Team OE」を立ち上げ、企業eスポーツ大会はもちろん、プロも参加する大会にも出場している。一見するとeスポーツとは関りのない企業が、なぜeスポーツチームを設立したのか、そしてその見据える先とは。

創業から43年を迎えた大阪デリバリーは、関西を中心に関東、東海に拠点を展開。主に大手量販店やコンビニエンスストア、アパレルブランドチェーン店などの倉庫の管理を請け負い、入荷から検品、加工、出荷まで行う物流のプロだ。このほか、一般作業から事務管理業務、専門作業といった、さまざまな物流業務に精通したスタッフを派遣する人材派遣事業も行っている。

eスポーツとは関わりのない企業が、なぜeスポーツチームを立ち上げたのか。取締役副社長を務める木田晴孝さん、「Team OE」のキャプテンを務める齋藤達朗さんにチーム創設の経緯を聞いた。

「20年以上ゲームを続けていて、有名なプロチームの方と一緒にゲームをプレイしていた時期もありました。自分でプロチームを創りたいと思うようになり、実際にスポンサーを探したりしていたのですが、現実は厳しく諦めてしまいました。転勤を機に木田副社長が気にかけてくださり、ゲームについて語ってしまうこともありました」と齋藤さんは話す。

木田さんは「その当時、私はゲームについて詳しくなかったので彼に話を聞くと、ゲームに対する情熱や本気度が伝わってきました。プロチームを創りたかったという想いも聞いて、会社を支えてくれている社員の夢を叶えてあげたいと思い、『Team OE』を創りました」とチーム設立までの経緯を振り返った。

木田副社長

2019年の秋頃にチームを設立。大阪デリバリーという会社の魅力の一つとして運営するために、ブランディングやリクルーティングに活かせるような体制を整えた。SNSの活用や企業大会への参加で知名度が上がり取材を受ける頻度が増え、高卒者を中心に行っている採用活動では内定者が右肩上がりに増えてきている。

チームの活動は毎週金曜日。この日だけは現場ではなく、チームとしての活動のみを行う。主にFPSゲームをプレイしているが、FPS初心者のメンバーがほとんど。キャプテンの齋藤さんを中心に戦術や連携、エイム練習をしている。驚くべきはこのチーム練習の日に給料が支払われているところだ。

木田さんは「私たちは本気で世界を取りに行けるようなチームを目指しています。やるからには大きな目標を持ってチャレンジしていきたい。実業団のように全社員が現場で得た利益をチームの活動費に充てているので、その想いを胸に本気で練習に励んでもらっています。初心者の社員も、ある程度戦えるくらいまで成長してきました。時間はかかるかもしれませんが、プロチームに引けを取らないチームになってほしいですね」と話す。

最後にキャプテンを務める齋藤さんに今後の目標を聞いてみた。

「『AFTER 6 LEAGUE』など、同じような環境のチームが集まる企業対抗戦で負けると本当に悔しい。プロチームを倒すという高い目標を超えるにも、早くこのチームでタイトルを獲得したいですね」

※この記事は『月刊アミューズメントジャパン』(2021年10月号)に掲載したものを転載したものです。


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