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2023年02月08日
No.10003199

パチンコ店特化型広告代理店のCEOが語る 「実戦! パチンコ店のWebマーケティング」⑫
ページ滞在時間の重要性と正しい計測方法とは?
文=梶川弘徳 シー・エフ・ワイ代表取締役

ページ滞在時間の重要性と正しい計測方法とは?
かじかわ・ひろのり 株式会社シー・エフ・ワイ 代表取締役CEO  パチンコホール企業で営業部長として、営業戦略や組織マネジメントの責任者で活躍し、2009年33歳でCFYを設立。提案力が強みのパチンコ店特化型広告代理店として評価を集め、会社を成長させてきた。パチンコセミナー多数登壇。業界誌でも執筆活動中。着物のギネス世界記録ホルダーであり「きものではたらく社長」としてブログも配信中。https

今回は、サイト閲覧者がWebサイトにどのくらい滞在していたかを知るためのページ滞在時間について解説させていただきます。ページ滞在時間は、ランディングページなどのWebサイトにおいて、閲覧者の閲覧状況を把握することができるので、Webマーケティングにおいてとても重要なデータとなります。しかし、データの見方を誤るとサイトパフォーマンスの良し悪しの判断を間違えてしまいますので、正しい計測方法によって分析しなければなりません。そういった観点からページ滞在時間の重要性と正しい計測方法について解説します。

まず初めに、ページ滞在時間の重要性について解説します。パチンコ店がWeb広告を活用して広告宣伝を行う場合、ランディングページ(1枚完結のWebサイト)を流入先のサイトとして活用するケースが多いかと思います。そのランディングページには、店舗の有益情報を掲載し、ユーザーにその情報をしっかりと見てもらいたいという店舗の意図が込められています。

しかし、ランディングページの多くは、閲覧者の流入に成功したとしても、サイトからの即離脱が圧倒的に多く、約8割がページ滞在時間2~3秒程度になってしまっています。

これは「Web広告に掲載されているサムネイル画像に興味を持ってランディングページに流入したが、サイトに興味が湧かずに離脱してしまった」ということを意味しています。この場合、ファーストビュー(ユーザーがWebサイトを表示したときに最初に目に入るエリア)で興味を持つことができずに、ほとんど情報を見ることなくサイトから離脱している、という閲覧者の行動が目立ちます。ページ滞在時間2~3秒程度でよくあるケースになります。

逆に、ページ滞在時間10秒以上と長いケースはファーストビューで興味を惹くことに成功し、閲覧者はサイト内をスクロールして情報を見ている可能性が高いと判断できます。当然、こちらのケースの方が集客へとつなげることができる可能性が高まるので、一部例外はありますが基本的に長いことが理想です。

このようにページ滞在時間は、閲覧者がサイトにどのくらい興味関心を持ったかということを汲み取ることができるデータになります。そして、それを知ることでアクセス数などのデータよりもさらに深くユーザーへの情報伝達の効果性を分析することができます。

次に、ページ滞在時間の正しい計測方法について解説します。ページ滞在時間を計測できるデータは主に2つ。1つは平均セッション時間、もう1つは平均エンゲージメント時間です。


この2つの違いは、使用するGoogleアナリティクスが異なります。平均セッション時間はユニバーサルアナリティクス(UA)で見れるデータ、平均エンゲージメント時間はGoogleアナリティクス4(GA4)で見れるデータとなります。

UAで見れる平均セッション時間は、複雑な方法によってデータが算出されており、誤解を招きやすいというデメリットがあります。特に、ランディングページにおいてはページ滞在時間が正しく計測できないと理解いただいて大丈夫です。

一方、GA4で見れる平均エンゲージメント時間は、正確な閲覧情報を把握できるように計測方法が改善されています。ランディングページにおいても正しく計測ができるのは当然ですが、さらにスクロールやユーザーエンゲージメントといった、より閲覧者の行動を深く分析することができる機能を付帯しています。

ページ滞在時間を計測するためにはGoogleアナリティクスを活用する必要がありますが、前述の通りGoogleアナリティクスには現在、UAとGA4の2種類が存在しています。

しかし、UAは2023年7月1日でサービスが終了となるため、これからはGA4へと完全移行していくことになります。これを機にGA4を活用して、平均エンゲージメント時間によって正しくページ滞在時間を計測することを推奨します。

最後に、ページ滞在時間を伸ばすための方法について解説します。ページ滞在時間を伸ばすための方法は複数ありますが、最も大切なのはサムネイルとサイト内容の連動になります。

前述した通り、閲覧者がページ滞在時間2~3秒程度で離脱している最も大きな要因はファーストビューでの惹きに失敗していること。ファーストビューでの惹きに失敗しないために、下記のポイントに気を付けてランディングページを制作するようにしましょう。

① ファーストビューに最も伝えたい情報を掲載する(掲載場所・内容)
② ページ内の画像はデザインを統一する(デザイン)
③ 掲載する画像の数量は最小限にする(情報を絞る)

このように、サムネイルとサイト内容の連動ということを意識したサイトデザインで、ユーザーにとって見やすい(分かりやすい)ランディングページにすることが大切です。ページ下部までスクロールして貰えることは理想ではありますが、まずはファーストビューのデザインを整備して、即離脱を回避するランディングページ制作にトライしてみてはいかがでしょうか?

※『月刊アミューズメントジャパン』2022年12月号に掲載した記事を転載しました


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