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2023年02月14日
No.10003277

パチンコ店特化型広告代理店のCEOが語る「実戦! パチンコ店のWebマーケティング」⑬
「LINE公式アカウント」料金プラン改定に注意
文=梶川弘徳 シー・エフ・ワイ代表取締役

「LINE公式アカウント」料金プラン改定に注意
かじかわ・ひろのり 株式会社シー・エフ・ワイ 代表取締役CEO  パチンコホール企業で営業部長として、営業戦略や組織マネジメントの責任者で活躍し、2009年33歳でCFYを設立。提案力が強みのパチンコ店特化型広告代理店として評価を集め、会社を成長させてきた。パチンコセミナー多数登壇。業界誌でも執筆活動中。着物のギネス世界記録ホルダーであり「きものではたらく社長」としてブログも配信中。https

今回は、LINE㈱より発表された「LINE公式アカウント料金プラン改定」について解説いたします。パチンコホール企業の利益に大きく影響を及ぼす可能性がありますので、内容をご理解いただき、適宜対策を講じていただきたいと思います。昨年10月31日、LINE㈱から「LINE公式アカウント 料金プラン改定及び日割り廃止のお知らせ」というオフィシャルニュースが配信されました。このニュースの主な内容は次の2点になります。

① 現プラン料金の「日割り適用の廃止」
② LINE公式アカウント「料金プランの改定」


まず、①現プラン料金の日割り適用の廃止に関しては、「プラン変更が生じた場合に料金が日割りではなく満額請求になる」という内容です。フリープランからライトプラン、フリープランからスタンダードプランにプラン変更した場合、これまで変更月は日割り金額を支払い、付帯する無料メッセージ通数も日割りとなっていましたが、2月1日からは変更月も日割りではなく月額費満額の請求となり、無料メッセージも全数付与となります。

ただし、プラン変更がなければ該当することはありませんので、大きく影響するものではないかと思います。特に注意が必要なのは、②LINE公式アカウント「料金プラン改定」です。こちらは「実質的な値上げ」となっており、従来通りにLINE運用をすると、配信コストが大幅に増額してしまう可能性があります。「参考画像」をご覧ください。


現在、①フリープラン、②ライトプラン、③スタンダードプランと3つのプランがあり、それぞれ、月額固定費・無料メッセージ通数・追加メッセージ料金が定量設定されています。今回の料金改定では全プランとも月額固定費に変動はありませんが「無料メッセージ通数」に大きな変動があります。

① フリープラン 1000通 ➡ 200通
② ライトプラン 15000通 ➡ 5000通
③ スタンダードプラン 45000通 ➡ 30000通


今回の改定によって、月額固定費の範囲内で無料メッセージの配信ができる「無料メッセージ通数」が大幅に減少します。それを超えてしまうと追加メッセージ料金が発生しますが、その追加料金は③スタンダードプランだと1通あたり3円となります。仮に4万5000通メッセージ配信すると、現行プランでは1万5000円だった請求金額が、6万円になってしまいます。また、②ライトプランにおいては、これまで1通当り5円で追加メッセージを配信することができましたが、新料金プランでは「追加メッセージ不可」となります。

つまり、5000通のメッセージ配信をしてしまったら、その月はLINE配信ができなくなってしまいます。このように、実質的な値上げになる新料金プランにおいては、LINE配信におけるコスト管理がとても重要になってきます。では、どのようにLINE配信におけるコスト管理を行えば良いのでしょうか。具体的な方法は3つあります。

① スタンダードプランに切り替える(現状、ライトプランの場合)
② LINE配信するタイミングを絞る
③ LINE用のCRMシステムを導入する

3つのうち、「すぐにできる」という観点からは、②LINE配信するタイミングを絞ることが適宜な対策になるかと思います。現状の月間配信数をカウントし、本当に必要なタイミングでメッセージ配信がされているか?(無駄な配信をしていないか?)を確認してみることを推奨します(月間配信数=有効友だち数×月間配信回数)。

難しいのは現状のメッセージ配信に無駄がない場合、あるいは有効友だち数が多い場合(目安は3000以上)において、「LINE配信するタイミングを絞る」という対策をしてしまうと、集客効果が低減する可能性が出てきてしまうことです。

このような場合の適宜な対策としては、③LINE用のCRMシステムの導入を推奨します。「CRMシステム」というのは、Webツールの顧客管理を行うシステムのことを言います。LINE公式アカウントの標準機能では「セグメント配信」ができないため、メッセージ配信は基本的に全ユーザーに対して「一斉配信」となります。CRMシステムを導入することで「セグメント配信」ができるようになるため、配信したいユーザーだけにメッセージ配信することが可能となります。つまり、配信除外したいユーザーを区別することができるので、無駄なメッセージ配信をしなくても済むようになります。

その結果として、「配信数の管理」と「メッセージ効率の向上」の両方を実現することができます。現状のメッセージ配信に無駄がない、あるいは有効友だち数が多い(目安は3000以上)場合は、ぜひCRMシステムの導入を検討してみてください。

パチンコホールの集客施策において、現状ではLINE公式アカウントの活用が必要不可欠です。今回の料金プラン改定はコスト増大の要素が潜んでいますが、集客施策においてLINEは重要なツールであることに変わりません。まずは現状の配信数や配信方法を分析し、今後のLINE活用について方針を決めたうえで、店舗に合った適宜な対策を講じてみてはいかがでしょうか。

※『月刊アミューズメントジャパン』2023年1月号に掲載した記事を転載しました


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